邦画

『夏の妹』(1972)

・沖縄の本土返還が1972年5月15日だから、返還のその年に撮影されたということか・・・。・当時の沖縄の様子は画面に少しは写っている。沖縄の売春婦の割合など社会が抱える問題も語ってはいるが、それも通りすがりにさらりとだ。・リリィは最初っからず…

『アウトレイジ』(2010)

・見終わって一呼吸して、「で、それで、なんなの?」と思った瞬間にすべてが霧散して蒸発して薄れて消えてしまう映画・・・・・・その内容、話、そういう作品。・暴力団のわらしべ長者物語か?(悪い意味で)。・兄貴だ、親分だ、師弟だ、契だ・・・言っと…

『DON'T STOP ドント ストップ』

http://dontstop.jp/index.html

『きな子〜見習い警察犬の物語』(2010)

・動物愛玩映画・・・というジャンルは無いが、可愛い動物をネタに使って客引きを企んだと分かるような映画はほとんど好きじゃない。・可愛い動物をキャラクターに使えば、子供に受けるし、親子連れをひっぱれるから客動員を増やせるし、癒しぃなんてものを…

『クロエ』(2001)

監督:利重剛不思議な感じの映画。 こういう手合いの映画はだらだらカメラを回してだらだら撮って繋げてハイ映画です!といったようなとんでもどうしょうもないものが多いのだが、これはちゃんとした意志が映像から伝わってくる。端的に言えば、上手いという…

『武士の家計簿』(2010)

・2010年に連発公開された時代劇を続けて観ているが、前の二つに較べると絵に安心感、安定感があるな。前の二つはどうもふらふらして軽薄な感じがあったが「武士の家計簿」は出だしからしっかりとした絵、映像だ。較べてみたから分かったことかも知れないが…

『桜田門外ノ変』(2010)

・役者が軽い、演技が軽い、演出が軽い、撮影もカメラも、構図も、編集も、話の展開も、なにもかもが軽い・・・軽いじゃなくて軽薄。・これも『十三人の刺客」と同じで太刀回りに迫力、熱がない。動きを配置された演劇。舞台演劇の太刀回りをカメラで撮って…

『十三人の刺客』(2010)

悪趣味、下俗、下品、グロであり、エログロでもあり、醜悪でもあり、汚物、汚穢のようなものである。策を講じているいるようで、単純。稲垣が極悪人というのはキャスティングが上手い。ただし、最後には若干極悪の色を薄めさせているのは一応今でも人気アイ…

『近松物語』(1964)

溝口健二:監督香川京子が綺麗だなぁ。モノクロ画面でも美しさがきらめいている。なんだか松田聖子に似た感じもある?? ☆近松門左衛門作の人形浄瑠璃・歌舞伎の演目『大経師昔暦』(だいきょうじ むかしごよみ、通称「おさん茂兵衛」)を下敷きにして川口松…

『ソイレント グリーン』(1973)

・この映画、観ていると嘘っぽくなく、この本当に何もない未来の世界がやたらと生々しく、水も肉も果物も酒も何十年も拝んだことのない信じられない食物という状況が本当のことのように思えてくる。今、同じことを撮ったら子供にすら馬鹿にされそうな映画に…

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』

・最初から、なにか難病を抱えて入院している川口春奈(宮田夕紀)が血色よくて、ピンピンバリバリに元気良さそうなのを見て、ああ、予想通りこの程度の作品だな、と始まってすぐに作品の中味が見通せるというか、馬脚をもろに表しているというか・・・。ほ…

『ヒミズ』(2011)

・二階堂ふみの演技は最初からなかなか。染谷将太は最初はダメだが、殺しに至るところからグンと良くなる。渡辺哲はいぶし銀のような演技。流石の熟練俳優。本当はこの人、脇役ばかりじゃなくてもっと表に出てもいい実力。・家族の絆なんてものが全く途切れ…

『銀河鉄道の夜』(1985)

監督:杉井ギサブロー 原案:ますむらひろし・多分、日本人の殆どの人が知っているであろう宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」、中学生の教科書に載っているというのがその大きな理由だろうけど、実際に原作童話を読んだことはなかった。・なにか子供心に、わく…

『着信アリ2』(2005)

・これって秋本康が原作シリーズかいてたのね。まるで知らなかった。いろんなことやってるもんだ。・ホラー映画というのは殆ど観ないのだが、まあちょうど夏で、いかにも夏にという感じで偶然観ましたという感じ。・ホラー映画の部品である、不気味さや、異…

『キラー・ヴァージンロード』(2009)

・監督:岸谷五朗・これも邦画バブルなんてものが終焉にむかうちょっと前にどさくさまぎれに作られたような映画か?・あきらかに三木聡の作品を意識し模倣したかのような映画。しかし笑うに笑えない、しらける話と演出は背中を丸めてうつむいてしまいそうな…

『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男』(2011)

・薄っぺら、浅はか、脚本も配役も台詞も画面のなかに移る美術もなにもかもペラペラ。・ここ10年位に公開された戦争映画の特徴的な場面を丸写ししたような部分があれこれ。これが分かり過ぎるくらい分かる。独自の映像ではなく、あの映画のあのシーンみたい…

『岳 -ガク- 』(2011)

・山の映画というとどれだけ山を本当に理解しているかというところがあれこれ指摘される。あんなの嘘だろ、あんなんで山なんか登れるか。でたらめだ。そういうチクリは『剣岳 点の記』でもいっぱいあった。・しっかりと正確に山登り、岩登り、その自然の中で…

『女王蜂』

・前作「獄門島」から半年で製作、公開。金田一 耕助シリーズ第4作。・ネットでいろいろ検索してみたら、なんだかやっつけで作ったような作品という背景、企業タイアップ、キツキツのスケジュールなど映画制作の状況としては最悪のようなものに思えるのだが…

『電車男』(2005)

・中谷美紀がちょっとおばさん過ぎるかな。撮影当時はまだ30歳前なんだろうけど、この人は顔が年齢よりも上、雰囲気も年増っぽくかんじてしまうから山田孝之とのバランスが今一つ合ってないね。・なんかほのぼのしてるかな?と思って観始めたが、途中からか…

『ノーボーイズ、ノークライ』

・出だしから中盤までよく分からぬ話がずるずると続く・・・非常にかったるい、まだるっこしい。ときめきも驚きもない。蒸し暑い空気のなかでぐだりとしただ漫然と宙を見ているかのような感じだ。ときめかない、わくわくしない、面白くない、なんだこれは?…

『獄門島』(1977)

・横溝正史作品の中では最高傑作、といわれている?・この作品や配役が凄いな。話題作り、単なる役者での引きを考えたような配役ではなく、登場人物の一人々が全て演技力のある役者でずらりと揃えられている。・演技力もなにもないアイドル、人気女優、男優…

『時雨の記』(1998)

・出だしからかなり以上に短絡的、手前勝手、都合のいい話、脚本だ。20年前に一度会っただけの歳をとった男と女がこんなに簡単に、都合よくひょいひょいと学生みたいな恋愛関係になるかって。・バブル真っ盛りの前年に、小金持ちで暇を持て余し、人生と日々…

『八日目の蝉』(2011)

・出だしのかなりわざとらしい演出と、話を変にいじくり、入れ込みをした、演出の技巧をみせびらかせようとでもしているかのような部分に「これはダメだな」と思ったのだが・・・その後は見事。・女優の演技がみんな凄い。どの女優も女の性とか女ゆえの業と…

『寒椿』(1992)

原作:宮尾登美子・全然そういうことも知らないで、いきなり南野陽子の濡れ場が出てきて「へぇ、南野陽子って脱いでたんだ。こんなピチピチの奇麗な若い女性アイドルが!」とちょっとビックリ。しかもすべすべ肌でほっそりしていて胸もペチャでもなく巨乳で…

『動乱』(1980)

・この映画は初見だが、これは森谷司郎の作品だったのか。なるほど、この骨太、真摯、うわついたところのない映像と脚本はいかにも橋本忍らと一時代を作った人、森谷司郎の作品だ。・武骨、骨太、真っ正面からの直球勝負、小手先の小細工などしない、堂々た…

『GANTZ』(2010)&『GANTZ PERFECT ANSWER』(2011)

・昔あった「ガンヘッド」みたいな映画かな? どうせくだんないだろうな、と思って観たら、まあ、ながらで観る分にはけっこう面白かった。・話はなんとも?印いっぱいで、へんてこなんで、これはストーリーはどうでもいいって感じ。・CGIは安っぽさも満載だ…

『二人日和』(2005)

・藤村志保と栗塚旭の演技は上等の味がある。熟練、熟成のこの位の年齢の役者はやはり積み上げてきたものが違うなと、じっくりと演技を観賞。こういう味わいは日本の映画、演劇の中で沢山の作品に出演し、叩かれ怒鳴られ努力し鍛練し鍛え上げられて積み上げ…

『マザーウォーター』(2010)

監督 松本佳奈・「かもめ食堂」の純血種という感じだな。監督の松本佳奈は「めがね」のメイキングを撮っていたということだから、荻上直子の色彩や演出、味わいを側でしっかり吸収していたのだろう。でもひょっとしたら監督うんぬん、その技量や個性というよ…

『プリンセス トヨトミ』

・普通の人間ドラマととらえるとまあそんなに詰まらなくも無いし。格段面白いというわけでもないが、飽きたり退屈するというほどではない。・ただし、突飛な設定で大ぶろしきを広げたのにその設定がまったく話から遊離している。結構観ていて面白いのに”大阪…

『イン・ザ・プール』(2005)

・監督:三木聡、の、長編映画デビュー作か・・・・・三木聡のおちょくったギャグは好きだし、笑えるから良いんだけれど『インスタント沼』が余りにつまらなかったので、もうネタ切れ、アイディアが枯れてきたか・・・なんて思ってた。で、観ていなかったこ…