『桜田門外ノ変』(2010)

・役者が軽い、演技が軽い、演出が軽い、撮影もカメラも、構図も、編集も、話の展開も、なにもかもが軽い・・・軽いじゃなくて軽薄。

・これも『十三人の刺客」と同じで太刀回りに迫力、熱がない。動きを配置された演劇。舞台演劇の太刀回りをカメラで撮っているかのようなもの。

・まあなんというか、役者だけはしっかり揃えてるなという感はある。だからといって豪華キャスティングというのではなく、そこそこ名前と顔が通っている役者をたっぷり揃えたという感じだ。だが、それを第一義の頭数を揃えたと言うべきか、役柄と顔付きが合ってないのが多い、無理やり過ぎる。

長谷川京子はやっぱり綺麗というか可愛い、しかし旦那である関鉄之助が斬首される間際に平和そうな顔で出てきてウフッって感じで笑うってのはどうなのよ? 思わずのけ反り吹き出してしまった。なんちゅう演出なんだこれは? 考えられんというか信じられんというか・・・いやはや全くどうしょうもないね。尋常とは思えん。

・同じく関鉄之助の愛人である、いの(中村ゆり)が捕まって拷問をうけるというのはなんだかサディスティックでちょっとゾクゾク。w
中村ゆりって、ものすごーくイイ感じの女優だし好みでもあるんだけれど、それが吊るされ、打たれ、最後には石抱の拷問を受けていや〜ぁぁと苦しみ悶えて死んでしまう・・・て、これある意味エロチック。このシーンって監督のスケベ心が表に出てるな確実に。かくゆう自分もちょっとこのシーンにはゾクゾク。(笑)

・ま、そういうオフザケばかりが印象に残った感じ。歴史上の事件を取り立てて何するわけでもなくお話として追っかけて映像を撮って、ハイ映画が出来ましたっていっても仕方ない。こういう映画だったら、NHK特集だとかNHKの歴史ヒストリアとかそういうのの方がよっぽどいいんじゃない?

・お金はたっぷり掛かっているようだけど、中味はダメだなこれ。