2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『空気人形』

●養育放棄の問題、時代劇、家族と来て是枝監督が今度はどんな映画を撮るのだろうと思っていたら、まさかこんな内容の作品を撮るとは、またしても驚きである。●作品毎に作風、素材が激しく異なるのが凄い。映画という表現手段で取り扱う素材が毎回非常に異な…

『空気人形』たっぷりと毒とエグさを孕んだ文学的ファンタジー

『ゼロの焦点』(1961)

●1961年版『ゼロの焦点』を観ながら頭に浮かんでいたのは、同じ原作者松本清朝の作品とは言え、非常に『砂の器』に似通っているなということだった。●制作スタッフを確認してみれば、監督 野村芳太郎、脚本 橋本忍 、山田洋次 と、『ゼロの焦点』と『砂の器…

『ゼロの焦点』錚々たる映画人が力を合わているが映画はイマイチ

『奇談』(2005)

●諸星大二郎原作漫画の映画化では『妖怪ハンター ヒルコ』についで2作目?●原作漫画はマンガであるからこそ許される特異さ、話の奇抜さ、その着眼点の凄さというものがあったのだが、これをそのまま実写映画にしてもだめだろうなと思っていたが・・・その通り…

『奇談』諸星作品がまたしてもトンデモ映画にされてしまっている。

『リダクテッド 真実の価値』(2008)

●デ・パルマというともう十分に名声のある監督なのだが、敢えてこの監督の作品なら観ておこうというような監督ではなかった。どちらかと言えば、作品の監督がデ・パルマだと知って「デ・パルマならある程度以上のクオリティーがあるだろうし、外すことはない…

『リダクテッド 真実の価値』怒りや憤りの先にある無力感

『赤い橋の下のぬるい水』(2001)

●今村昌平は映画史に残るエロ爺である。改めてこの作品を観て再認識。ほほ笑ましく、好ましきエロ爺であると思うが。●今村監督の作品は、その絵、編集の巧さ、その下地となっている脚本の構成(巧さというのとはちょっと違うかもしれない)の成せる業で、観て…

『赤い橋の下のぬるい水』これは迷走としか言い様がないか。

『三本木農業高校、馬術部 〜盲目の馬と少女の実話〜』(2008)

●映画の最初のシーンから非常に美しい映像だ。三本木高校馬術練習場の風景、朝焼け空、そのさわやかな空気感。 ●監督:佐々部 清 この人の作品はいつも実に堅実で、実直で、質実で・・・とまじめな作りのものばかりなのである程度の安心感を持って観ることが…

『三本木農業高校、馬術部 』 今では珍しい質実実直な作り。

『 TO(トゥー)共生惑星』

●二作同時にリリースされた星野之宣作品のOVAだが、『楕円軌道』よりも『共生惑星』の方が好い感じだ。●宇宙でも行われるアメリカとロシアの対立という作品のスケール感はないのだけれど。●映像の細密さでは『楕円軌道』、ファンタジックな美しさと戦闘機の…

『 TO (トゥー) 共生惑星』 映像の美しさではこちらが上か。

『 TO (トゥー) 楕円軌道』

●オープニングのホワイトバックにメカニカルな宇宙船や機械などが浮かび上がってくる映像は好い。●このストーリー構成はわかりずらい。というかオリジナルの漫画作品『2001夜』物語を読んでいないと話が良く分からないのではないか? ダンとマリアの関係の時…

『 TO (トゥー ) 楕円軌道』 映像は美しいが原作の奥深さはない。

『チェンジリング』

●最近のクリント・イーストウッド監督作品ではこの『チェンジリング』だけが未見だった。2008年に公開されたこの作品だけをなぜ観ていなかったのか、たしか「クリント・イーストウッドが監督を依頼され・・・・云々」という何かの記事を読み、クリント・イー…

『チェンジリング』監督としての技量を証したような作品