2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『チベットの女/イシの生涯 』(2000)

原題: SONG OF TIBET日本公開2003年1月15日●イシとギャツオが夫婦になるまでの話は『グリーンデスティニー』に非常によく似ている。身分の設定などの違いはあるが、これはチベット版『グリーンデスティニー』かと思ったほどだ。製作年度ではこの作品の方が…

『チベットの女/イシの生涯 』これは中国が作った中国色したチベット

『ジェリーフィッシュ』(2007)

●カンヌでカメラドール受賞という事以外、前知識ほぼ無しで観たが、なるほど、なかなか不思議な良さがある。●最初のシーンからカメラがなんともユルく、切れがない。絵にも緊張感がなくだらりとしていて、いかにもまだ経験の少ないアマチュア監督っぽさが滲…

『ジェリーフィッシュ』みずみずしさ溢れる作品だが話は重い

『機関車先生』(2004)

監督: 廣木隆一 『ヴァイブレータ』『きみの友だち』『余命1ヶ月の花嫁』 原作: 伊集院静「機関車先生」●いかにも文部省推薦、学校教育で使われそうな離島の小学校と先生、生徒の触れ合いを描いた作品だが、なんの前知識もなく、偶然に観てみたら、思いの他…

『機関車先生』ほのかに心温まる懐かしさ。現代版「二十四の瞳」

『おとうと』(1960)

・監督:市川崑 ・撮影:宮川一夫(映画初の銀残し)『羅生門』『用心棒』 ・げん:岸惠子、母:田中絹代、田沼夫人:岸田今日子、 碧郎:川口浩●女優陣はもうそうそうたる顔触れ。当時28歳の岸恵子は日本人離れした美形。●アヒルの行列は斬新!●どうもこ…

『おとうと』映画の技巧は優れているが、話がこれでは・・・

『絶唱』(1975)

●原作:大江賢治、脚本・監督;西河克己、撮影:萩原憲治●三度目の映画化●この辺りになってくると、西川克己監督作品も完璧に山口百恵と三浦友和のアイドル映画だなという感じだ。●戦時中の村社会のしきたり、身分、赤紙、召集令状、復員、厳しい社会状況、…

『絶唱』百恵&友一の完全なアイドル映画。作品の質も低下。

『コールガール』(1971)

●ある失踪事件を端緒としたサスペンスなのだが、話が分かり難い、実に。●複雑なストーリー、入り組んだ人間関係といったもので話が分かりにくいながらも、それを全て頭の中で理解出来たときに訪れる「なるほど、そうだったのか」というもつれた糸が解けるよ…

『コールガール』ふらふらとどっちつかずの映画。

『イーグル・アイ』(2008)

●十二分に面白く、エンターテイメント映画として文句無し。まったくだれる事もなく、実に見事で巧みな娯楽映画のお手本となるような作品。脚本、撮影、アングル、編集、カット、演技とどれも文句無しの一級品。だが、全て80点、一つ飛び抜けた驚きがない。感…

『イーグル・アイ』一回観る分には充分楽しめる。

『ヘアスプレー』

●最近のミュージカル映画は余り好きではないが、これは割といい感じだ。作品の雰囲気が昔のミュージカル映画に似ている。●ミュージカルの基本はきちんとしたストーリーの台座があり、その上で話が進んで行く中で、突然登場人物が踊り出し、歌い出すというも…

『ヘアスプレー』往年の名作の趣がある。

『キューポラのある街』(1962) 昭和37年

●キューポラ(Cupola furnace)・・・鉄の溶解炉。●吉永小百合は高校在学中の出演ということだが、実に堂々たる演技。やはり日本を代表する紛う事無き大器。大女優になる片鱗が如実に見てとれる。●終戦から10年経って、かなり復興してきた37年当時の昭和の日本…

『キューポラのある街』堂々たる吉永小百合の演技、やはり名作。

『潮騒』(1975)

●三島由紀夫の文学的な匂いは殆ど皆無。神島の風俗も冒頭にナレーションで説明し、女衆の水汲みが話として使われている意外は殆ど無し。ましてや自然の美しさなどはまるで描かれていない。島で生活に苦労しながらも手を取り合って生きる女、海女の姿は描かれ…

『潮騒』三島文学の匂いも香りも無し。

『失楽園』(1997)

●閑職に左遷された男、その割に随分と生活は豪勢で給料にも金にも全く困っていない、将来に対する不安も逼迫していない、閑職から抜け出そうという覇気も気力もない。左遷はされたものの会社が大きかったから給料は人並以上。会社もあからさまな減給などをお…

『失楽園』人間は殆ど描いていない映画。

『チャイナ・シンドローム』(1979)

・これももう30年も前の作品になるのか。・福島原発の事故があって、たぶんこの作品をDVD等で観た人は日本でもかなり増えているだろう。・昔これを観た時には他所の出来事、他人事のように受け取っていて、原発事故の切羽詰まった危機感なんてところまで思い…

『チャイナ・シンドローム』30年前の作品なのに今の現実そのもの。

『ミニミニ大作戦』(2003)

原題:THE ITALIAN JOB●痛快、小粋、豪華、強奪の仕掛けも大胆でありつつ巧い。脚本も抜けがない、しっかりしているが過剰な挿話、あざとい演出もない。●「ミニミニ大作戦」という酷いタイトルに拒絶反応を起こして観ていなかったがなかなか楽しく、小憎たら…

『ミニミニ大作戦』タイトルは最悪だが中味は上等

『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』

●2008年に劇場で観たときはかなりの衝撃を受けた。いったいどうしてこんな事が起きたのか?どうしてこんな愚かなことを革命だなんて言って正当化していたのかとむかついた。でも映画作品として心を揺さぶられた事は確かだった。連合赤軍を英雄視したり、賛美…

『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(再見)人間の愚かさ。

『あの夏、いちばん静かな海』(1991)

●久石譲の音楽がいい。この音楽が言葉、台詞以上に登場人物の心の動きを、感情を表現している。この音楽があってこそこの映画は名作になりえたのだ。・くすんだ海の色 ・真っ白じゃなくて灰色の砂浜 ・太陽光線の具合 ・少し雲って霞んだ空 ・波の色 ・弾け…

『あの夏、いちばん静かな海 』素朴で美しく温かい、とても好きだ。