『夏の妹』(1972)

・沖縄の本土返還が1972年5月15日だから、返還のその年に撮影されたということか・・・。

・当時の沖縄の様子は画面に少しは写っている。沖縄の売春婦の割合など社会が抱える問題も語ってはいるが、それも通りすがりにさらりとだ。

・リリィは最初っからずいぶんと脱ぎっぷりのいいこと。

石橋正次・・・若っ。

栗田ひろみ・・・溜め息がでそうな演技・・・というかこれ、脚本の台詞を棒読みしてるだけ。感情も意志も全く言葉にのっていない。酷いな。まあよくあるけど、声の強弱だけで感情表現が出来ると勘違いしてるような新人俳優と言うのは。

・監督:大島渚 ・・・そういえばこの人の監督作品って、観たことないか。当時としては最先端、過激、ヌーベルバーグの旗手だったということだが、そういった尖りだとか棘だとか荒々しさ、斬新さというのは感じないな。

・結局この作品はなんなのか? 日本に復帰直後の沖縄の様子をしっかりと映し出しているとはいえないし、沖縄の問題に足を踏み入れているわけでもないし、恋愛だなんだということを描いているわけでもない。なにか歴史や人間という部分を描いているわけでもない・・・結局のところ本土復帰で話題になっている沖縄を題材に使えばヒットするだろうという魂胆で、大した考えもなくただ沖縄で、そして流行の大島渚監督をつかって、もう脚本もなにもどうでもいいから撮って繋いで上映すればいい。作品の中味やその質なんかどうでもいい。ただ沖縄であればそれでいいんだよ、ってことで撮られた映画出あろう。

どうしょうもない、大島渚ってこんな映画撮ってたのか。



リリイ、栗田ひろみ

沖縄なのに飲んでいるビールがKIRINか。