『十三人の刺客』(2010)

悪趣味、下俗、下品、グロであり、エログロでもあり、醜悪でもあり、汚物、汚穢のようなものである。

策を講じているいるようで、単純。

稲垣が極悪人というのはキャスティングが上手い。ただし、最後には若干極悪の色を薄めさせているのは一応今でも人気アイドルの端にはいるからイメージの悪化を回避させるよう裏から力がかかったか?



永井豪デビルマン(コミック)から持ってきたのだろうと思うような女の手足を切断し家畜としている場面は見ていておぞましく、汚く、嫌悪。(北野健的だ)

昔からよくある、非道、極悪を散々見せておいて、悪役に対する憎しみを駆り立てておいて、そしてそいつをやっつけるからすっきり・・・というようなわざとらしい類型的話。結局大人数の大立ち回りを撮りたかっただけなんじゃないのか?


人数だけはたっぷりの対決だが、配された駒が計画され、決められたとおりに動いている印象。迫真の演技がない。画面のなかで演技をしているというのが見え透く。命を賭して闘っている人間の熱や狂気がまるで出ていない、そういう内面からでてくる演技をしていない。

首を刀で刺し抜かれ切られた男がぴょんぴょんと飛び跳ねてもどってくるというのはなんなのか?