『マザーウォーター』(2010)

監督 松本佳奈

・「かもめ食堂」の純血種という感じだな。監督の松本佳奈は「めがね」のメイキングを撮っていたということだから、荻上直子の色彩や演出、味わいを側でしっかり吸収していたのだろう。でもひょっとしたら監督うんぬん、その技量や個性というよりもこの一連の映画は、もたいまさこ小林聡美市川実日子 加瀬亮光石研らが画面にでてくることによってこそ生み出されているものなおかもしれないな。

・「マザーウォーター」には荻上直子の作品にぽつぽつと浮かんでいるようなちょっとした毒気は無い。実に優しくほんわり、おっとりとして柔らかい。ここが荻上直子との違いだか。

・なんでもない映画なんだけどね、なんでもない話なんだけど、会社の帰りとか、土曜日の午後とかに、余り騒々しくない、客層の良い、清潔で空気がひんやりして澄んでいるような映画館で、ゆったりとしたシートでこの映画を観たら・・・ほんのりと幸せな気持ちになるかもしれないな。ごたごたや嫌なことも「ま、いっか」と忘れて。どこかオープンテラスのカフェでカフェオレでも飲んで「まあまんざらわるくないか」
と穏やかな心になるかもしれないな。それが自己陶酔と自分を納得させている動きだとしても。

・いいんじゃない、これ。

☆ちなみに、この琉球新報に掲載されてる共同通信の映画評がなんか凄すぎ!というか異常。この映画を宇宙からの侵略者のホラー映画としているって、どういうこと?(OO;) ここまで凄いとんでも映画評っていままで見たことないぞ。

なんか一部ネットやツイッターでもこの評が話題にもなっているようだが外山眞也という人物が書いているらしい。
「まだ侵略者として覚醒していない市川を小林と小泉が導く会話といい、終盤、川沿いに置かれた椅子で加瀬亮が死んでいるイメージカット(地球人としての魂の死を象徴)といい、異星人によって水の街=地球が乗っ取られていく過程と考えると、すべてのつじつまが合う」
って、あわねーよ。
ここまで凄い曲解を堂々と書く人物って、ちょっと恐ろしいなにか精神病か異常者なんじゃないだろうか?いやはや。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-169276-storytopic-137.html

こっちはまとも。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-172165-storytopic-6.html