『女王蜂』

・前作「獄門島」から半年で製作、公開。金田一 耕助シリーズ第4作。

・ネットでいろいろ検索してみたら、なんだかやっつけで作ったような作品という背景、企業タイアップ、キツキツのスケジュールなど映画制作の状況としては最悪のようなものに思えるのだが・・・出来上がった作品にはそういう雰囲気がまるで感じられない。堂々としたしっかりと練り込まれた・・・(とまではいかないか?)・・・作という格がある。

・新人中井貴恵もそれほど全然下手にも思えないし、雰囲気をだしている。

・映像にも軽薄短調さはなし。

・これは、これだけの豪華な役者をそろえたことによる、役者の発するオーラ、表情とそこに居るだけで画面を引き締め格をもたらす見えない力、そもそもの演技力、そして監督、市川崑の手練の技のなしうるものか?

・ミステリー、謎解きといった部分は薄いな。ビックリするほどの秘密や事件というより、順に見ていけばそれで話は落ち着くところに落ち着くという感じだ。

・「口紅にミステリー」この台詞はTVかなにかで聞き覚えアリ。

カネボウのCMを見てみたいがyoutueを検索しても見つからない。見てみたい。

・この映画に関するブログやwebページは結構多いな。それだけこの頃の邦画、市川崑横溝正史シリーズは大ヒットし、多くの人の記憶にのこっているということなのだろう。角川映画全盛の時代か。

カネボウの口紅の新製品「ツイニー」との大々的なタイアップ。宣伝CMに中井貴恵を採用し、キャッチコピーが「口紅にミステリー」・「女王蜂のくちびる」鳴るほど、強力タイアップ企画映画だったのか。でも映画そのものにやたら企業色だとか、わざとらしい宣伝のようなものは無い。これは流石に市川崑、下手に企業寄りの映画作りなんかしないということだ。