2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『ひとごろし』(1976)

原作:山本周五郎 テレビ監督で劇場映画初の大洲斉が監督。●小説ならユーモラスでほのぼのとした面白さ、味わいがあったのかもしれない。●最後に開き直って堂々と語る松田優作はいつもの凄みをようやく出したという感じはするのだが、これでは最初から作って…

『ひとごろし』これも映画とは言えないシロモノだ。

『ハート・ロッカー』(2009)

●監督: キャスリン・ビグローの作品は好きだ。『ハートブルー』にしても『K-19』にしても武骨で芯が通っていて、女性監督の作とはとても思えない、男気を感じる映画。●最初のシーンから画面に緊張感が漂う、絵にスキがない。これはクオリティーの高さが出だ…

『ハート・ロッカー』深刻な戦場を娯楽映画で利用していいものなのか

『ヘブンズ・ドア』(2009)

●カメラはいい。フレーム、アングル、動き、映し出される絵にそれなりの緊張感がある。 だがこれは撮影監督の技量。●なんとなくフランス・ヌーベルバーグ作品のような匂い。だがそれはストーリーの表面的な類似であり、本質的な部分、思想、哲学的な部分では…

『ヘブンズ・ドア』死を小道具に使い現実感も欠落したいい加減な話

『リアル鬼ごっこ2』

●鬼の走りがどうもタラタラと必死さがない。必死に追いかけている姿をカメラが映しているのではなく、カメラが映しやすいスピードとフレームに合わせて走っている感じだ。カメラは嘘をつかない、ありのままの演技を映し出す。だから切迫感も緊張感もない。ま…

『リアル鬼ごっこ2』どうでもいいレベルの続編。

『煙突の見える場所』(1953)

監督 - 五所平之助 上原謙(緒方隆吉)、田中絹代(弘子)、芥川比呂志(久保健三)、高峰秀子(東仙子)これはジャンルとしてはなんになるか? ヒューマンドラマ? 戦後の日本人の生活、社会状況、町や家、生活風俗などは良く分かるが。当時の終戦後の貧し…

『煙突の見える場所』この時代への郷愁以外のなにかがあるだろうか?

『燃ゆるとき THE EXCELLENT COMPANY』(2006)

●出だしから始まって、前半は全てベタベタな話。日本企業が海外に進出したときの土産話として、今まで何度も繰り返し語られ描かれてきたような余りに典型的なよく聞かされてきたような話を、なんの工夫もせず張り付けて繋ぎ合わせている感が強い。現地工場で…

『燃ゆるとき 』作りが粗雑で登場人物が誰一人燃えてない。 

『ミッシング』(1982)

●1973年9月11日にチリの首都サンティアゴで起こった軍事クーデターとその中で行方不明になった息子を探す父親の実話。●社会主義政権の樹立を快く思わなかったアメリカ政府とCIAがチリ軍部を支援し軍事クーデターを起こしたという限りなく黒い疑惑。●権力、政…

『ミッシング』70年代アメリカの黒い陰謀、闇、悪。

『名もなく貧しく美しく』(1961)

●木下恵介の弟子である松山善三が監督。●主役の男女二人を言葉を話せない聾唖者とし、手話によって意志を疎通させるというのはなかなかの大胆な設定。思い切った挑戦であろう。通常なら怖くてわざわざこんな困難な設定は回避してしまうものだ。●セリフを話せ…

『名もなく貧しく美しく』二人の夫婦は清々しく美しいが。

『ノー・マンズ・ランド』(2001)

●この映画はボスニア、セルビアのどちら側に立つわけでもなく、ましてや(名目上)中立的立場である国連軍の立場に立っているわけでもない。戦争を取材するマスコミの側に立っているわけでもない。脚本/監督のダニス・タノヴィッチの視点は争いに関わってい…

『ノー・マンズ・ランド』世界中がクソだ!

『浮雲』(1955)

監督:成瀬巳喜男 脚本:水木洋子 主演:高峰秀子●名監督として名高い成瀬巳喜男の代表作。だがどうもパッとしない。これが本当に名作と呼ぶべき作品だろうか?●この時代の映画監督では小津と黒澤、溝口健二、成瀬巳喜男、木下恵介ということになるか。 ●敗…

『浮雲』ストーリー、脚本が作為的過ぎる。

『山の郵便配達』(1999)

●父と子、純朴な生き方。その生き方を子に伝える旅。●美しい山間地の映像。技術的なハイビジョンとか走査線の数とかいったもので表現される美しさを越えた、自然の風景そのものが持っている本当の美しさ。映る映像が高精細な映像ではなくても、映っている風…

『山の郵便配達』末長く語られるべき不朽の名作。

『ドライビングMissデイジー』(1989)

●一人の老婦とその老婦の運転手となる老人のストーリーで、話しの筋は非常に単純であり、妙に曲がったり寄り道したりすることもなく実直に真っ直ぐ進んで行く非常に明解で単純極まりない話しだ。しかしその単純な筋の中に実に自然に、素直に、そして巧みに沢…

『ドライビングMissデイジー』

『コンフェッション』

●ジョージ・クルーニー監督デビュー作。製作総指揮スティーヴン・ソダーバーグ。●まあもうこれでもかってくらい豪華な役者の顔触れ。ソダーバーグ配下ともいえる常連役者がずらりと顏を揃えているが、正直なところこれだけの役者が出ているのに際立った演技…

『コンフェッション』まるでMTV。全く精彩を欠く詰まらない一作

『イーオン・フラックス』(2006)

・公開当時、シャーリーズ・セロンの美貌に魅かれて観た記憶があるが、余りにつまらなく、ありきたりなストーリーにがっかりして、中見がどんなものだったかとほとんど飛んでしまっていた。シャーリーズ・セロンがぴょんぴょん飛び回り、芝生から付き出てき…

『イーオン・フラックス』ありきたりで使い古されたストーリー。

『タップス』(1981)

●想像以上にシニカルな内容。思想的、哲学的でもあり、捉え方によってはかなりの社会批判、体制批判、軍隊批判、武器批判の思想を内在させた映画。●武器と軍事教育が行われていれば年端も行かない子供や少年でも国家、州、体制に刃向かうことができる。抵抗…

『タップス』すべては反戦、アメリカの体制批判のメタファーか?