2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『誰が為に鐘は鳴る ワールド・プレミア・上映版』(1943)

・BSプレミアムで放送された映像は美しいの一言。半世紀以上前の作品なのにノイズ一つ見当たらず、輪郭も明瞭、擦れた映像も皆無。色合いに関しては修復は文句ないのだが、やはり自然な肌の色というまでにはいっていない。美しく再生されているが不自然とま…

『巨人と玩具』(1958)

・原作:開高健 監督:増村保造『氷壁』 ・西洋介:川口浩、島京子:野添ひとみ、合田竜次:高松英郎 ●古臭いな、というのが第一印象。極めて大時代的(ひどく古風。大仰で古めかしい。時代遅れ。時代がかって大げさ)と言っても、半世紀近く前の作品なのだ…

『巨人と玩具』映像、内容、主張の古くささが逆説的価値。

『麦の穂をゆらす風』(2006)

カンヌ映画祭パルムドール受賞 極め付けにストレートに描かれた、実直真摯な作品。 映像は一流の格。アイルランドの美しい緑と風景。ナチス・ドイツの映画や、ベトナム戦争の映画は数多く公開されるが、北アイルランド紛争に関した映画が日本で公開まで辿り…

『麦の穂をゆらす風』

『異人たちとの夏』(1988)

●名取裕子が若くて、じつにエロチックで官能的、情欲そそそられるベッドシーン。それが最後にああゆうグロテスクに変じるというのはなかなかの驚き。●秋吉久美子は母親役ではあるが、情欲をそそられることも、エロチックな部分はなし。片岡鶴太郎は、まあ自…

『異人たちとの夏』異色の怪奇映画。和洋融合。

『ネバー・クライ・ウルフ』(1983)

●北極圏の自然描写が美しい。雪を被った急峻な山並み(これはアラスカの山に見えるが?)、広大な原野を白い息を吐いて走り回るカリブーの大群。夕暮れの淡い赤に染まる北極圏の大地。そしてオオカミ達。●オオカミの表情に野生の険しい目、獲物を狡猾に狙う…

『ネバー・クライ・ウルフ』映像は美しいが、話は煮え切らず。

『RAILWAYS/レイルウェイズ』

●最初『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』というタイトルから想像したのは、頑張って頑張って子供の頃の夢を49歳にして叶えた一人の男の”頑張ればなんだって出来るんだ” ”夢は叶うんだ” という希望に満ちた、元気が出るような話かと思ってい…

『RAILWAYS/レイルウェイズ』話の焦点がとんちんかんにぶれている。

『グラン・ブルー/デジタル・レストア・バージョン』

●夏が来るたび観る映画だが、今回はちょうどNHKBSでデジタル・レストア・バージョンが放送ということでこれを鑑賞してみた。これまで劇場、VHS、LD、DVDと数えきれないくらい観てきた作品だが、デジタル・レストア・バージョンがどれだけの美しさになってい…

『グラン・ブルー/デジタル・レストア・バージョン』これは別の海だ

『なごり雪』(2002)

監督:大林宣彦●この作品に漂っているものは、懐かしさ、懐古、田舎の村での誰もが経験しているような青春の思い出。この映画の懐かしさはほろ苦いというのではない。大切な思い出、心の中にいつまでも残っている懐かしい風景。そこに居る自分。それは、なに…

『なごり雪』出来は良くないと思うのに、すごく心に引っ掛かる。

『書道ガールズ!! わたしたちの甲子園』(2010)

●これはとても素直で純粋な女子高生の青春ドラマ。佳作ながらも観た人の心にきっと爽やかな感動を残す作品だろう。そしてそれはずっと残り続けるだろう。高校の学園祭だとか、男子でも女子でも必ず通る、経験する素敵な輝く瞬間。その輝き、そのほろ苦さ、甘…

『書道ガールズ!! わたしたちの甲子園』夏風のような爽やかさ!

『食堂かたつむり』

監督 - 富永まい 原作-小川糸●最初のシーンから随分と陳腐で軽薄、これはダメだなぁと思いつつもジュテーム・スープのシーンがなかなか良く、ここで期待が少し上がったのだが・・・。●料理のシーンは凝っているが、これはアドバイザーと予算次第でなんとでも…

『食堂かたつむり』まあ、それなり。

『戦争のはじめかた』(2001)

原題: BUFFALO SOLDIERS 日本公開:2004年12月11日 ●ベルリンの壁崩壊が間近の1989年 西ドイツ・シュツットガルトの米陸軍基地が舞台。当時の大統領は父ブッシュ。●『アメリカン・ウェイ』を彷彿させるような映像だなと最初に感じたが『アメリカン・ウェイ…

『戦争のはじめかた』皮肉やブラックジョークでは何も変わらない。

『Gガール 破壊的な彼女』(2006)

●ユマ・サーマンは顔にも演技にもアクも癖もある女優であるがあのベストスタイルがすっと立っているとやはりモデルのようだろうな。美人というより独特な超個性の顔だと思うが、こういったオフザケ、オバカ、エロ、と三拍子揃った映画でヒロイン務められるの…

『Gガール 破壊的な彼女 』こういうテキトー作品は羨ましい

『胡同のひまわり』(2005)

●胡同(ふーとん):北京市の旧城内を中心に点在する細い路地 ●2000年以降の中国映画はハリウッドに追いつけとばかりに、その模倣だらけ。国家にコントロールされた作品ばかりが量産されるようになり、以前のような味わい深い作品が殆どなくなてしまった。だ…

『胡同のひまわり』中国映画で感動するのは久しぶりだ。

『ハルフウェイ』(2009)

●冒頭の自転車のシーンは「ん?なんだこれは」と思うくらいカメラが映像の前に出しゃばり、絵を仕切っている。「これは下手だな、素人っぽすぎる」と眉をひそめた。この冒頭のシーンはかなり頂けない。カメラマンの顔や手や目の動きがそのまま画面にでてしま…

『ハルフウェイ』完全なる亜流、監督不在。個性、創造性はどこに

『天空の草原のナンサ』(2005)

原題: DIE HOHLE DES GELBEN HUNDES/THE CAVE OF THE YELLOW DOG●モンゴルのどこまでも広がる草原が清々しい美しさだ。●その美しさの中で燃料につかう放牧ヤギや牛の糞集める子供だが、糞を集めているといっても不潔な感じはしない。モンゴルの澄んだ空気が…

『天空の草原のナンサ』これぞ本当の癒しと言える一作。