アジア映画

『始皇帝暗殺』(1998)

監督:チェン・カイコー 主演:コン・リー・中国映画らしさがありありと浮かんでいる。重く暗く汚れてどす黒くもあるが、それもいい意味で。・映画として作品としての格、信念、心情、情熱、一本筋の通ったものがある。ただただ受けとヒットを狙ったような演…

『私の頭の中の消しゴム』(2004)

・美男美女のloveストーリー。女性の方は美女というよりちょっと幼さののこる可愛い娘という感じでもある。・最初に《アルツハイマーで記憶が無くなって行く女性と、それでも彼女を愛する男性のloveストーリー》を思いついて、そこから話に頭と尾ひれを付け…

『女帝 エンペラー』(2006)

原題: THE BANQUET/夜宴・チャン・ツィー・イーは美しい、衣装も美しい、美術も美しい、演舞も美しい、この美術スタッフは相当以上の金と労力をかけている。それが一目で分かるのだが・・・・・カメラもフレームもライティングも、光の捕まえ方も美しい、そ…

『ドラゴンへの道』(1972)

●出だしからしばらくのギャグ、コメディー調の作りはまったく面白くない、笑えない、ブルース・リーにコメディーはまったく似合わない。おじおじした演技のブルース・リーを可愛いだ、キュートだというのもあるかもしれないが、それはファンの気持ち。ブルー…

『ドラゴン危機一髪』(1971)

●ブルース・リーあっての映画。ブルース・リーが出て、動いているだけで画面が面白く躍動する。●ストーリーは古臭く、もう余りにありきたりな勧善懲悪なのだけれど、ブルース・リーものは細かいこと抜きで面白いわけであり、ブルース・リーが出ているだけで…

『胡同のひまわり』(2005)

●胡同(ふーとん):北京市の旧城内を中心に点在する細い路地 ●2000年以降の中国映画はハリウッドに追いつけとばかりに、その模倣だらけ。国家にコントロールされた作品ばかりが量産されるようになり、以前のような味わい深い作品が殆どなくなてしまった。だ…

『天空の草原のナンサ』(2005)

原題: DIE HOHLE DES GELBEN HUNDES/THE CAVE OF THE YELLOW DOG●モンゴルのどこまでも広がる草原が清々しい美しさだ。●その美しさの中で燃料につかう放牧ヤギや牛の糞集める子供だが、糞を集めているといっても不潔な感じはしない。モンゴルの澄んだ空気が…

『チベットの女/イシの生涯 』(2000)

原題: SONG OF TIBET日本公開2003年1月15日●イシとギャツオが夫婦になるまでの話は『グリーンデスティニー』に非常によく似ている。身分の設定などの違いはあるが、これはチベット版『グリーンデスティニー』かと思ったほどだ。製作年度ではこの作品の方が…

『山の郵便配達』(1999)

●父と子、純朴な生き方。その生き方を子に伝える旅。●美しい山間地の映像。技術的なハイビジョンとか走査線の数とかいったもので表現される美しさを越えた、自然の風景そのものが持っている本当の美しさ。映る映像が高精細な映像ではなくても、映っている風…

『初恋のきた道』(2000)

●木々の葉が黄色く紅葉し、枯れた秋草が広がる田舎の風景、チャン・ツィー・イーの輝く強い美しい瞳。美しい赤、マジックアワーを思わせる煌く太陽の日差し。牧歌的音楽。映像の何もかも隅々までが美しい。●ストーリーにいやらしさやあざとらしさなどの外連…

『言えない秘密』(2007)

●いわゆる韓流、台湾、中国系アジア系恋愛映画特有のベタベタ、ドロドロ、クドクドさは、まるで古い日本のトレンディードラマを今更に観せられているかのようであり辟易としてしまう。この作品の前半はまさにそんなパターン化したアジア映画そのものなのだが…

『キャプテン・アブ・ライード』(2007)

●小さい子供は電車や飛行機といった乗り物が好きだ。子供に「将来は何になりたい?」とお決まりの質問をすると、野球選手やサッカー選手になりたいっていう子供と同じ位に電車の車掌さんや飛行機乗りになりたいっていう子が多かったのではないだろうか? 大…

『鬼が来た!』(2000)

英題/原題:DEVILS ON THE DOORSTEP/鬼子來了●2000年のカンヌ国際映画祭 審査員特別グランプリ受賞●よくありがちな日本軍の蛮行を描いた作品かと思っていたのだが、まるで違った。蛮行は描かれているがそこに監督の視点があるわけではない。●監督の視点は人…

『靖国 YASUKUNI』

●あれこれと反日だ、事実誤認だ、いや偽造だ捏造だ、情報操作だと話題になり、公開延期、表現の自由などとキナ臭さまで漂っていた作品だったし、その後に後付け、誤魔化し、捏造、詭弁のような発言が製作者からも、宣伝側からも、そして国会議員や新聞などか…

『レッドクリフ Part II  未来への最終決戦』

●それにしてもこのサブタイトルは酷い。あちこちで言われているようであるが、まるでウルトラマンシリーズの映画版、ウルトラ兄弟が出てきて地球を救うとか、そういう映画に使うようなサブタイトル。この映画の宣伝チームは経験の浅い、知識の乏しい新米なん…

『カンナさん大成功です!』

●韓国映画、香港映画はあまり観ない。特にギャグ、コメディー映画はずっと観ていなかった。あまりにドギツク、えげつない笑の表現に辟易、うんざりしてしまうからだ。笑い、ギャグなのだからさらっと単純に可笑しく笑いたい・・・なのに、韓国や香港の映画で…

『レッドクリフ Part I』

●戦闘シーンに迫力がまったく感じられないのはなぜだ? 人の頭数だけは多いのだが、何十万人もの兵が争っているというイメージが全く伝わってこない。 不思議なほど。 黒澤映画で素晴らしく迫力ある戦のシーンを沢山観たからだろうか? それにしても戦が小振…

『亀も空を飛ぶ』(2004)

●最初の30分が苦痛だった、クルド人の村でアンテナの修理をしたり、出会った女の子の注意を引こうと変なことをしたり、子供達を従えてああだこうだと指図するサテライトという子供の姿が妙に白々しく、ノイジーで、絵から何かを感じさせるものが全くやって来…

『ボラット』 

●しかしまぁ、こんなのを配給しなくても・・・・エグイ映画である。●全世界24カ国でNO.1になった作品ということだが、いやはや・・・・ホント?●他の国ではまあ作れなかったであろうというくらい、現代アメリカを痛烈に批判している。その批判の仕方が…