『Gガール 破壊的な彼女』(2006)

ユマ・サーマンは顔にも演技にもアクも癖もある女優であるがあのベストスタイルがすっと立っているとやはりモデルのようだろうな。美人というより独特な超個性の顔だと思うが、こういったオフザケ、オバカ、エロ、と三拍子揃った映画でヒロイン務められるのはこの人ぐらいか。こんな役オファーされても受ける女優もそうそういないだろうし、受けて様になる女優も希少。そういう点では当然とも言える、いやこれしかなかっただろうというキャスティング。

●それにしても、ユマ・サーマンはこういうオフザケ、オバカ、シモネタ、ハレンチ、エロ、グロまでなんでもやってしまえる女優で、それをやっても女優価値が全然下がらないのだからまあなんとも大したキャラクター。

●こういうオバカな映画、こういうアホらしい映画を撮れるのも、これもまたアイヴァン・アルトマンならではであり、この人以外にはオファーも行かない、この人以外じゃ受ける人もいないかも。無名じゃないそれなりにも名前が通った監督の中ではということでだが。

●それにしてもアルトマンの作品歴はゴーストバスターズから始まってもレボリューションだとかホントにオバカ作品だけ。もうそういうレールに乗ってしまっているんだろうし、他に同じようなことが出来る人もいないから歳をとってしまってもアルトマンしかいないんだろう。

●『最終絶叫計画』のシンディー役をしていたアンナ・ファリスが出ているが、この人もいかにもこの映画にぴったりという女優。美人だけど完ぺきにシモネタ、エロ、グロまでこなせるこの女優も、本当はもっと良い役やってほしいものだと思うのだが、もともとコメディー女優として出てきたし、最終シリーズであそこまでやっちゃってると、もうあの強烈なオバカ、シモネタのシンディーが印象深くなってしまっているからシリアスな役は無理か。

●なんにしてもよくこんな映画作ったものだ。なんだか劇場に空きがでちゃうとマズイからフィラーになるようなの適当に作っておいて、ってな感じで企画されたんじゃないだろうか? もう本当にその程度。そこにこれだけの女優を使えるんだからさすがハリウッドとも言える。逆に言えばユマとアンナとアルトマンという名前がなかったらC級映画としてどこにも掛からなかったか、ビデオスルーだったかも。

●日本でもほとんど宣伝なんて見てない、聞いてないし、あちこちで掛かってはいたようだが、レイトショーとかがメインだろう、たぶん。

●ここまでオバカでテキトーに作ってる感じだと、製作現場も楽しくお気軽だったのでは。大ヒットなんて狙うわけじゃなく、テキトーに作って楽しんで、まあそれでいいだろうという感じがぷんぷん。

●ハリウッドでもこういう映画がまだ作れるのだな、いやハリウッドだから作れるのか。それほど予算を掛けないで世界にばらまけばリクープぐらいはなんとかなる。日本とかじゃこれは無理だ。TVドラマぐらいならできるかもしれな。いや、日本の場合はまじめに作ってるくせに、こんなバカ映画になっしまうというのが多いかもしれない。

●空に飛ぶシーンなどはジャンパーのCGIに酷似。同じソフトをつかっているのだろう。