『食堂かたつむり』

監督 - 富永まい 原作-小川糸

●最初のシーンから随分と陳腐で軽薄、これはダメだなぁと思いつつもジュテーム・スープのシーンがなかなか良く、ここで期待が少し上がったのだが・・・。

●料理のシーンは凝っているが、これはアドバイザーと予算次第でなんとでもなろう。

●可愛がってたブタを食ってしまうっていうとか、鳩を食べてしまうストーリーはなんだかなぁと思う。まさかこんなところに人間は結局生き物を食べて生きているなんて哲学を折り込んでいるって? それはお門違い。

中島哲也監督の物真似、二番煎じ的な絵。荻上直子的な不思議な癒し感もない。要するに売れているこの二人の監督のイイトコ取りをして、足して2で割って作りました的な映画。でもそれは足して半分にもなっていない。

●潜水艦と料理の映画に外れなし、話が回らなくなったら食事場面を入れろ、これは映画の定石ともなっているいるが、確かにこの映画、ずっと料理と食事場面ばかりだから特に詰まらないというわけではなく、最後まで興味が持つことは持つ。しかしただそれだけであって、なんとか飽きずに最後まで観ることが出来て、それなりに面白く観終えることは出来るが、それでお終い。

●特にアクが強い場面もなく、ほのぼの感も維持していて、デートムービーにちょうど良いだろうが、終わって劇場を出てきて「うん、まあそれなりに面白かったね」「そうだね、じゃ飯でもいこうか」で、食事をしていてもこの映画の話題はまったく出てこないで、終わってしまう、そんな映画か。

●それにしても”食堂”タイトルの映画も続くなぁ。いくら当たりが堅いからって、いいかげんにしたらと言いたくなる。

http://www.cinemacafe.net/news/cgi/interview/2010/02/7560/