●「フェイスブックはクールじゃなきゃだめなんだ」って台詞があったが、この映画自体が極めてクールだ。脚本が、演出がクールだ。”クールだ”ってカタカナ英語を使っている奴は極めてぶざまだから”クール”なんて言葉はやめて、日本語で言えば、流麗だ、カッコイイ、粋だ、すました顏だ・・・と言えるか。とにかくこの映画は流石だ。映画として徹底的に面白い。脚本と演出が徹底的に上手い。映画として、ストーリーとして実に映画の持ち味を生かしきっている。これは文句無し、実に面白い。デヴィッド・フィンチャー流石、そして脚本:アーロン・ソーキン流石だ。これは映画演出技術の粋か。なにか特徴あるの?と言えるくらい平凡で単純でなんでもなさそうだが実に巧妙な話と映像の演出効果が観る側の注意を、気持ちを惹きつけて話さない。まるで目立たない、気がつかない演出の巧みさ。手練の技、さりげなく、しかしじっくり検討され練り込み、映像には見えない味やコクをしっかりと醸しだしたような映画。観終えておもわず唸る。
●話の筋は単純で明快で平凡でさえある。1人のオタクな女性との付き合い方もしらない男が、自分がフラれた腹いせに男のスケベ心を突くサイトを作って、それが巧く行って・・という程の話し。
タラレバだが。今をときめく世界歳年少の億万長者の話というのでなければ実に詰まらない。示唆的な話でもなければ名言も教訓というものもさほどなし。しかしだからかえって「自分にだって運が向いてくれば」なんて気持ちにさえなる。しかし・・・・
「あなたは最低の人間じゃないけど、そう見える生き方をしている」か。