『RED/レッド』(2011)
・役者はどれもこれも曲者。そこそこに一流。
・ストーリーもスピード感があり、破綻もない。
・だが、それほど面白くない。
・斬新に見える映像も、あっちやこっちで使われたような、どこかで観たようなもの。10年前ならこのくらいのイキの良さとブラック・ジョークの味付けで痛快に感じ、娯楽映画として楽しめたかもしれないが、もう結局どこかで観たような話の展開であり、ギャグの入れ方であり、ぜんぜんクールでもシュールでもない。
・批判するほどでもない、結局この程度、この手のブラック・コメディーはもう全然面白くないのだ。詰まらないとまではいかないが、はあそうですか・・・でお終い。
・ピリッと切れのいい、痺れるような痛快なブラック・ジョークが入っていれば少しは味も引き締まるのだが、曇ったガラスの向こうで行われる、もう以前に観た事のあるようなギャグ、ジョーク、演出は、まるで作ってから時間が経って、ぬるくなり伸びたラーメンのようなものだ。それは味はするし食えなくはないが、美味いわけじゃない。
・こうなるとやはりタランティーノは流石だなと思える。