『39刑法第三十九条』(1999)

●まるで社会派監督といわれる熊井啓の映画を観ているかのような感覚。扱っている題材が社会的な問題、法律の問題だからというだけでなく、見据えようとしている視点が人間の、その人間の作り出した矛盾に向かって刃物を突き立てているからだ。抑え込んでいる憤りや慟哭が観ている側の胸も抉る・・・そんな感じがとても似ている。

多重人格、精神異常、痴呆、介護、・・・・・

なぞ解きのサスペンス性も高い。

憎々しくにやつく岸辺シローがちょっと役柄として突出しすぎている。主役よりも濃い印象だ。しかし若いな。

鈴木京香の演技
岸辺シロー
堤真一の演技
樹木希林


脚本:大森寿美男 巧妙な脚本

サウスバウンド(2007)
椿三十郎(2007)
間宮兄弟(2006)
海猫(2004)
失楽園(1997)
家族ゲーム(1983)