・ラストでまだ瓦礫の残る女川の町の夕暮れの坂道を上っていくバスの姿に、ほのかだけど確かな希望を感じることが出来た! そのバスの姿に、そこに乗っているまだ見えぬ夢をつかもうとしている人に、前に向かっていくあきらめたりしない力強さと希望を感じた。良作!!!!
某ちゃん/刈谷友衣子・・・適役
國枝重治/吉田栄作・・・適役
笹山ユキ/安藤サクラ・・・適役
リリー・フランキー・・・・適役
宮城太郎/新井浩文・・・適役
山之里勝/山本浩司・・・適役
父親/豊原功補・・・適役
母親/西田尚美・・・適役
こういう3.11や原発を扱った映画、やたらと演出され、強調されたお涙ちょうだいや、上っ面の人道主義やなんやらかんやらが多い気がしているのだけど、このドラマは作る側の正直さ誠心なものを感じる。そしてそれいじょうに・・・へんに嘘っぱちや煽っていない、すぐ近くの未来への希望や夢を感じる。某ちゃんの顔、瓦礫の町の坂道を上っていくバスに、はっきりはしないけれど前に向かって進んでいく弱々しいけど消えたりしない力のふんばりを感じる。がんばろうって気持ちになる。作品を作っている人間の熱がこっちにも伝わってくる、映画やドラマはそういうものであるべきだと思う。嘘や偽善や上っ面の愛なんてのは直ぐに見透かされる。本当に何かを思い、何かを伝え前に向かっていかなくてはという胸の滾りは、作っている者たちの思いと心の鼓動はそれ以上に伝わってくる。・・・イイ作品だ!たった70分でもこんなにいいものが作れるのだ。
脚本:一色伸幸「すべての人に配慮するあまり、当たりさわりのないストーリーにすることだけは避けたかった」/『ステラ』3月29日号