『ひまわり』(1970)

ソフィア・ローレンマルチェロ・マストロヤンニ。名前も顔も知っているのだが、出演作というとほとんど観ていない、ある時期日本で非常に人気があったということだから、その名前は知っているのだろうが、自分の中で映画との結びつきは希薄だ。

・ロシア人妻マーシャのほうが可愛らしく、日本人好み?

反戦映画の傑作とされているということだが、この遠回し、婉曲的な反戦の表現はやはりヨーロッパ的と言えるだろう。愛しあっていた気持ちを引き裂いた戦争というとになるが、なにかこの表現はあまりに遠回し過ぎる気がする。

・邦画でも50年代、60年代はこういった遠回しで、愛する人と別れなければならなくなった男女を描いて、戦争への反対を表現したものもあり、ヨーロッパの映画、感性、感覚と日本のそれは非常に似通っているとは思うのだが、いかんせん今これをみて、その悲しさや戦争の酷さというものを強く感じ、心打たれるというところまでは達しなかった。

・もっと酷い戦争、それはもっと酷い刺激、もっと酷い人間の悲しさなどに慣らされてしまっているからなのだろう。

・1970年の作品だから、古典というほど古くもないのだが、なんだかものすごく古い古典作品のように感じてしまう。

・同じく婉曲的、遠回しでの反戦映画というのなら「ジョニーは戦場へ行った」「西部戦線異状なし」「戦場にかける橋」などのほうが心に響いた。

・強烈な刺激に慣らされた今の自分では「ひまわり」が伝えようとした反戦の意は、今の時代では弱過ぎる感じがする。

☆今年デジタル・リマスター版が再上映されるらしい。
ひまわり ニュープリント&デジタルリマスター版オフィシャルサイト
http://eiga-himawari.com/(2011年12月より全国順次公開)

自分としてはまだDVD化もされておらず、一度しか観たことの無い「いちご白書をもう一度」のほうを観たい。こちらは直接的は反戦映画だ。

1時間8分頃の背景に写っているのは原子力発電所