『ビッグ・リボウスキ』 

●『ノーカントリー』の淡々とし抑揚が無いながらも不思議と魅力的である演出に刺激されてコーエン兄弟の過去作で観ていないものを鑑賞。

●これはもう10年も前の作品になるのだねぇ。タイトルの分からなさ、ビジュアルイメージの不可解さから自分では鑑賞お蔵入りになっていたのだが、改めてみて・・・・・・いや、これ、詰まんないよ。

コーエン兄弟の作品はどれもなかなかの味わいはある。この作品も湾岸戦争やらベトナム戦争やら、アメリカの社会体制やらに対するシニカルなアイロニーが沢山折り込まれてはいるが・・・・・タルイ。

●様々なエピソードが巧く繋がっていくストーリー展開は確かに巧妙だが・・・・詰まらない。

●ワクワク、ドキドキがない。うーんと唸るようなシーンもない。

●やたらこの作品も高い評価がされている向きもあるが・・・自分としてはダメだねぇ。
なんなのだろう、このタルさと感激のなさは。

●「面白かっただろう」とラストでセリフがあるが「大して面白くないよ」と言いたくなる。

●この『ビッグ・リボウスキ』に関しては、あちこちの高い評価が疑問。シニカルさ、過去の映画のエッセンスの取り入れ、確信犯的にシラっとした顔で進む奇妙なストーリー・・・・好みの問題と言ってしまえばそれまでであるが、これならばもっと面白いものはいっぱいある。

●映画は十人十色、感じたままでいい、いつかその感じ方が変わることもあるかもしれないが。


★映画批評 by lacroix