『松ヶ根乱射事件』(2006)

コーエン兄弟の『ファーゴ』の日本版でも考えて撮られたのではないかという造り。(最初の雪の中に人が倒れているシーンはそのオマージュだろうが)

●しかし、内容は思った以上に下品というか下劣というか、エグさもたんまり。

●つまらなくはないが面白くもない。

●ブラックジョークでもない。

●この監督の山下敦弘「天然コケッコー」でダメだなぁと思ったのだが、やはりこういう作品を作りたい監督なのだろう。そういう監督を「天然コケッコー」のような純粋無垢な映像作品とすべき映画の監督に抜擢したプロデューサーもしょうがない。だから「天然コケッコー」はあんな作品になったのだ。・・・・と思う。『リンダリンダリンダ』もまあそんなもんだったし。

三浦友和のどうしょうもないダメオヤジぶりは上手い。好きにはなれないキャラクターではあるが・・・。

●という感想ぐらいか。

●昔アイドル(だったらしい)川越美和がずいぶんとどろどろした絡み、ヌードシーンを演じているものだ・・・・ちょっと驚き。

●今をときめく、中村義洋監督がどうしょうもないダメオヤジ役で出演しているのがちょっと面白い。もうこの風貌を見ただけで笑ってしまうようなほんと小太りのダメオヤジという顔つきが実にユニーク。この人が伊坂幸太郎作品や海堂尊作品をセンスよく映画化しているというのは顔つきみたらちょっと想像できない。しかし座っているだけでも味のある、思わずわらってしまうような存在感はある・・・しかし演技はイマサンかな? ダメオヤジぶりは相当に上手いのだけれど。

●やはりさして話題にならなかった過去の邦画を観て、んーこれは拾い物だ、凄いなというような作品は・・・少ない・・・ほとんど無い。