『アメリカン・ウェイ』(1986)

○この映画を前に観たのが2006/5/18となっている。もう4年前か。観た映画のことを記録しておこうと始めたこのブログの一番最初の頃に書いている作品だ。まさかこの映画がDVDになるとは思ってもいなかった。それがもうDVDというパッケージメディアの末期にも近い頃になって発売されるとは。

●なかなかイカレタ映画。だが、バカではなく知的でシニカルで高尚なイカレ方だ、そこがいい。

●ドロドロとした密度の高い飛行機内の映像、これはブレードランナーの映像に近い。

●めちゃくちゃにアメリカをチャカしコケにしている。容赦ないほど。ブラックユーモアというものでもなく、これは超シニカルなアメリカ風刺、批判。

●宗教、政治、選挙、ベトナム戦争まで含めてアメリカのやっていることを全部シラっと攻撃している。こういう映画は最近少なくなった。いや、あったとしても日本では公開されないというのが実情だ。

●退廃的 デカダンスな映画全体の雰囲気がいい。懐古的 レトロスペクティブな感じもあり、悪くない。

●思いっきりふざけて政治家にしても宗教にしても偽善の皮をかぶった奴らをコケにする映画、それは痛快である。しかし日本ではこういう作品はない。ないのではなく、作られない、作れない、作っても小屋が掛けてくれない。

●今の日本の政治のどうしょうもなさ、マスコミのマスゴミさ、嘘偽り、悪逆のまん延しているこの日本を徹底的にコケにして政党も首相も宗教家もえらぶってるマスコミも徹底的に悪ふざけで攻撃するような映画ができたら面白いとおもうのだけれど。どこも出資しないだろうな。

●一部よっぽどコアな映画ファンにしか知られていない、さして人気も一般的な評価もされてもいないこの映画は劇場公開後にVHSでソフト化されレンタル市場にも出回ったようだが、多分流通量も少なかったことだろう。

●自分としては好みの一作であるためDVDで手に入れられないものかとずっと思っていた。アマゾンUSAで商品を見つけたがPAL方式であったため、再生できないから購入するわけにもいかず、もうこんなマイナーな作品は映像ソフト化されることはないだろうなと諦めていた。

●それが2009年9月24日にエムスリーエンターテイメントがDVDをリリースしていることを偶然見つけた。公開から23年も経ってのDVD化である。これには驚いたが嬉しかった。きっとこの映画を好きな人がいたんだろう。DVDは特に特典もなく、日本語吹き替えもなく、スーパーで売っている500円DVDのようにただマスターをDVDに焼いただけという感じで画質も丸で良くないが、それでもVHSよりは数十倍良い。

●2000年頃だったらこういったDVDでも何万枚かは売れていただろうけれど、今ではもうDVDのマーケットは完全に縮小してしまい、こんなマイナー作品を仕入れるような店はほんの一握りの大型店位のものだろう。

●それでも、この作品をDVD化してくれたことに一ファンとしてエムスリーには感謝したい。(ビジネス的には厳しいだろうと思うけど)