『深呼吸の必要』(2004)

長澤まさみが脇役中の脇役、というか端役。ぜんぜん輝きも煌めきもない、ぼさーっとした暗い少女・・・というのが驚き。2004年といえばセカチューの年か。まだデビューしたてとはいえ、この映画のなかではまるっきり長澤まさみの若い輝きを生かさず、合わない役に押し込んで押し殺してしてしまっているかのようだ。これはないな。翌年のタッチではキラキラした適役を演じていたのを考えても、女優の使い方が間違っている。

・Dr.コトーのパクリみたいなエピソードもなんだか。

・わざとらしいエピソードとわざとらしい台詞ばっかりで興ざめする。

・2004年、沖縄ブーム、邦画の似非バブルまっただ中。そんな中でつくられた粗製映画。それでも沖縄があったらかなんとか観れる? 人も目を向ける? 沖縄を題材にしてればなんくるないさ〜とはならない。  

・静かでボンヤリとして癒し系映画のようにも見えるが、沖縄の方言を離すお年寄りを出して、サトウキビ刈ってるだけ。転がってた、拾ってきた、たまたま聞いたようなエピソードを並べて繋げただけで、なんらそこから手を物語の奥に差し込もうとしていない。足を踏み出そうとしていない。ちゃちゃちゃと撮ってしまえばそれでよかったという映画づくりだったのかもしれないが、極めてテキトーな粗製映画。それだけだ。