『キック・アス』(2010)

・ツーン・タタ・タターターンって音楽が気怠くて実にイイ。オフザケしてるというかナメてるというか、タルく乗ってけばイイという雰囲気を最初から示しているかのようでもある。最初にこの音楽を聞いただけで「ん、これは好きになれそうだな」と予感が走る。w

・「それにしても、こういった小さい女の子(ま、年齢規定とかはクリアしてるんだろうが)に「この腐れCUNT」とか言わせたり、ざっぱざっぱと人を切り刻み突き刺し殺させるってのはちょっとおぞましいなぁ」とか最初に思ったのだが、よくこんな小さな子にこんな役やらせられるなぁ、いくらアメリカでもこれってちょっと出来ないんじゃない?と、ヒット・ガール役のクロエ・グレース・モレッツ(読みにくい、書きにくい、長い)いやーホントに13歳位の中学生にしか思えないんだよね、このヒット・ガール! 身長も163cmというからそんなにちっちゃいわけじゃないし。ん、まあアメリカ人の中で並べたらやっぱ小さくなるかな? その辺も巧く考えられてて、いかにも中学生の子供というイメージをしっかり観客に与えているんだろうな、見事! そんな傍目には中学生にしか見えないちっちゃい女の子が卑猥な言葉バシバシ連発して、もうザッパザッパと人を切り刻んで撃ち殺していくんだから、まあ驚き! この辺のエグさグロさはちょっと好きではないのだが、よくもこもまでやっているなという感じだ。(コメントもらいました。感謝と驚き!「キックアスのクロエちゃんは撮影時11歳ですよ。Wikipediaの最初の表記が間違ってるだけです」・・・って、え〜撮影当時11歳のまんま中学生だったのぉ〜! あっちの国じゃ中学生に”この腐れオマ○コ、カーンツ、アスホール云々と堂々と言わせちゃって、悪人とは言え、ざっぱざっぱ人を切り刻ませていいんか? ふへぇ〜)http://matome.naver.jp/odai/2132965539581207801
アメリカはレイティングが厳しいはずだが、こういうのR指定にすればいいってだけじゃなく、根本的に児童保護法だとかなんかそういうのに引っかからないのかね?あの国じゃ。w

・あちこち、あれやこれやの映画のあのシーン、あのフレーズだなっていうのがポンポンと出てくる、使われている。そういうのも面白くはある。わざとらしくこれみよがしにやってるのではなく、すっと話と脚本と筋と絵に馴染んで使われているから違和感がない。抵抗感がない。この辺りは映画作りの技だな、一枚も二枚も上手の。かなりマイナーだが、デイブがケイティと遂に野外ファックするところは「さらば青春の光」か? あちこちに出てくるアメコミ作品のパロディーやらオマージュ、その他色々な映画のあのシーン、このシーンがよくもまあというくらい入っている。ちょろっと隠して端っこに入れるとかじゃなく、どうどうとど真ん中で使ってるというのは気持ちいいな。

・ヒット・ガールが拳銃を悪人の口に突っ込んでほっぺたふくらませるシーンだとか、おいおいだし。
・赤外線スコープで撃ちあうシーンは日本のシューティングゲームをそのまんまに真似てたり。撃ち終わってから手首と拳銃だけをカチャっと傾けるシーンなんか「よく見てるよなぁ」と笑ってしまうゲーム機の映像。監督も相当にオタクだな。

・予想できる範囲で最後を落ち着けているわけじゃない。へえ、まさかこういう落とし方か!と、結構なところまで思い切り話を振り切っている、遠慮会釈なしにザッパザッパとだ。これはホントにヒーロー物の映画でも話でも、ヒーローなんてものは全然関係ない、ヒーローなんてものを描こうとした映画ではないわけで、社会の悪だとか、それに対する憤りだとか、割りと以上にそういう点をしっかり描いているんだよなぁ。

・宣伝文句じゃ「特別な力が無くてもスーパーヒーローになれる!」なんて言ってるが、そういう映画じゃないんだな。スーパーなヒーローなんてどこにもいないし、ヒーローすらもどこにもいない、あるのは怒りとそれをちゃんと言葉と行動に出そうという意思だ。
・思いっ切りブラックで、グロくて下品でオタク系の映画ではあるが、これはヒーローものともエンターテイメントというものともちょっと違う。社会だとか、そこに寄生して悪をしながら私腹を肥やす連中だとか、そういう組織や体制や連中に対する批判、避難、アンチテーゼ! 
・「ホントは頭にきてるんだぜ、ホントはこういうことしたいんだぜ、ヒーローなんて出てくるはず無いんだからさ、ホントは俺がこういうことしたいんだよ、でも出来ないけどさ、家も、家族もあるから・・・でも、ホントにホントはこういうことをしたいんだ」なんだか、そういう原作者や監督の思いで出来上がった、社会性、現状の体制批判の色合いが乗っかっている映画というのが核心なのかな、そんなふうにちょっとひねって考えてしまったが・・・。


・ヒット・ガールが肩を怒らせて出てきて「この糞オ○ンコヤロー、覚悟しろ!」って言うシーンはかなり!カッコイイ。w




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