『インシテミル』(2010)

・ほんと、「SAW」とか「CUBE」とかがヒットしてからというもの、その設定を真似た邦画が乱立するおぞましさ。しかも真似の真似という感じでどれもこれも似たようなもので、この手の映画にさして興味のわかない自分的にはどれもこれも同じ映画なんじゃないのかと思ってしまう。そのくらい区別しにくい、したってどうしょうもない。

・なんだかなぁという感じで「カイジ」「キングゲーム」「ライアーゲーム」なんて同じような映画がぞろぞろ。いい加減にしたらといいたくなる状況。

・なにかヒット作がでるとそれに便乗して同じような作品を連発するのがハリウッドだが、日本におけるこの”密室心理ゲーム映画”というものの浅はかな連発はハリウッドどころじゃない酷さ。

・ようするに、この手の映画であればロケも必要なし、見栄えだけよくしたセットを作ればそこで殆ど全部撮影できる。天候にも左右されない。経費がかからない。コントロールしやすい。低予算で作れる、撮れる。あとは名前の通った役者の雁首をならべておけばそこそこ人は入るという程度の考えで作られたとしか言いようがない。

・観ていると頭がキリキリ痛くなってくるような、この心理ゲームとやら。なぞ解きやサスペンスが凄くて頭がキリキリ痛くなるならまだよしだが、あまりに下らなくて、どこが心理なんだ、だれだってこんなこと思うだろう、どこがサスペンスなんだとあまりに酷くて頭がいたくなるのである。どこをどう考えたらこんな話、脚本をつくるのかねと・・。

・この手の映画はもう塵芥。こういう映画を観て映画に親しみ、映画を知っていった中高生なんかが観客層の中心になっていったら、邦画は作側も観る側もボロボロの状態になっていくだろう。

藤原竜也が出てくると全部同じシリーズ映画に見えてくるってのは本当だな。作品事の色や特色が全く無し。

綾瀬はるかが美しい以外はなんの価値もない映画。

ホリプロ50周年記念映画って、溜め息だ。半世紀の記念映画と名付けるのなら後々まで語り継がれるような名作にしなさいって。