『恋空』(2007)

・小学生か中学生の女の子向けのコテコテ少女漫画をそのままの話で映画にしたようなものだな。原作は携帯小説だが、こういうのを読んで幼い女の子がワーワー、キャーキャー言って、ラブストーリーだとか、恋愛とか、悲恋とか、想い続ける心とか、悲劇のヒロインに憧れ酔いしれるのか?切ない思いになって涙流すとか??・・・って、それで少女の情緒感情の一部が形成されていくとしたら・・・おぞましい。

・ただ悲しいこと、悲劇的なことを積み重ねて観客の涙を引き出そう、感動させてやろうなんて手法は昭和初期(?)的な映画、脚本、お話の作り方でいまさらにそんなことやったってあざとらしさが見え透いてスケスケでどうしょうもないだろう。と思うけど、まだ映画とか小説とかいろんなもの触れていないウブウブの幼い子供ならそれに反応して”感動した””泣けた”にもなるか。

・しかしほんとに、これも全くもって紙芝居だな。映画が金を掛けた紙芝居化している昨今。

新垣結衣はこれも最初は可愛いなと思ったが、だんだんと能面に思えてくる。ぱすてるインクでつるっつるに仕上げた表情変化のない能面。いや、能面なら動かす人の匠の技で感情が伝わるのだが、新垣結衣に関しては能面がしゃべっているだけか。あまりに輪郭がはっきりしてツルッぺろりんで表情変化の少ない顔をずっとみていたら、アニメの絵を見ているんじゃないかと思えてきた。

・まあ今更ながらにあれこれ言っても時間の無駄か、もうさんざん酷評はされてるようだし。

・それにしてもこの奇異、奇特なあるいみトンデモ、モンスタームービー。たぶん未来永劫にわたって新垣結衣の代表作として人々の記憶には残るであろうし、もう新垣はトンデモモンスター映画「恋空」を生涯引きずりその呪縛を断ち切ることもできないだろうなぁ・・・なんて。

・同じくこれを作ってしまった監督も・・・生涯「あの恋空の監督」という勲章を額に貼り付けて歩くことになるのだろう。

・色々言われているように確かに酷い、低劣で、俗の俗、その極みのようなものであるが、それゆえに邦画の歴史に名を留めることになる一作かもしれぬ。「これじゃいけませんよね」っていうお手本の映画として。


余りにも下のページの解説が面白いので、これを読めばもう充分かも。
というかこれを読むと、えー面白そう!!って思って『恋空』をどうしても観たくなってしまうんではないか?(笑)
完全ネタバレしてるけど読んでて笑えたのでこの映画に関しての言及はもうここで充分であろう。

《恋空再び》
http://hakaiya.com/html/2008/20080724_1.html
「記号的小道具である。テレビが異様に古い!三丁目の夕日か?》爆笑した。

《ラストシーンについての考察追加 からあげ》
http://hakaiya.com/html/2007/20071116_1.html

《恋空 ★》
http://hakaiya.com/html/2007/20071111_1.html