『インベージョン』(2007)

・二コール・キッドマンがやけに若々しい。顔の輪郭も効いてきて、尖った印象。体のラインもほっそりすっきり。目つきもいかめしい。鼻もピンと尖っている。「ふーん、二コール・キッドマンって昔こんな映画に出てたんだ」と若い頃に出演したB級映画なんだろうと思えるほど。しかしこれって2007年の公開作。

・歳をとると女性は頬や体に丸みを帯びてふくよかになり、肉付きも増えて太くなるものだが、この二コール・キッドマンをみるとまるで若返ったかのようだ。なんとも美しい・・・。

・だが、話しはといえばかなり古いSF映画そのまま。数多くの古典的なSF映画の名作があるが、宇宙人の侵略、ウイルスによる人類感染などはもう目新しさ、斬新さのない話しになってしまっている。スピルバーグの『宇宙戦争』はCGIの凄さもあり観るにはみれる作品になっていたが、それでもやはり子供の頃からなんどとなく聞いた、読んだような話しでわくわく感がなかった。これも同じで話はこじんまりとしているし、え、どうなるのといったどきどき感もあまりない。たぶんこうなるだろうなという予想通りに話は進み、予想をちっとも裏切らない凡庸な終わり方でああそうですか、やっぱりね、という思いが残るだけであった。これで派手なCGIシーンでもあればもう少し娯楽性も上がったかもしれないし、SFらしさももっと出ていたかもしれないが、そういうものもない。

・言ってみれば、いや別に言わずともがなで、これは古典なのだな。古典そのものなのだ。派手なドンバチ、ワイワイガヤガヤのSFに異常なほど見慣れてしまっている今において、こういった純な古典は受けないし、詰まらないととられてしまうだろう。

・ウイルスが人間を変えたために、北朝鮮やらイラクやらブッシュなんかが平和主義を打ち出して紛争が解決しました、我々の側に入れば世界は一つになりますなんていう件も話の中に折り込まれていたが、これもちょっとギャグなのか真面目なのかわからずしらけた。

・ラスト近くのカーチェイス・シーンは今様であり、スピード感も迫力もあったが、際立ったシーンはそれくらいか?

・あとは超美貌の二コール・キッドマンをこれでもかってくらい沢山見ることが出来るということと、ある意味これも古典SFお決まりともいえる下着サービスショットに思わず笑ってしまったところくらいかな、記憶に残ったのは。

・ジャック・フィニィのSF小説「盗まれた街」四度目の映画化