『私が愛したウルトラセブン』(1993)

●映像化されなかった「300年間の復讐」上原正三脚本、この話、実際に映像化されたものを観てみたかった。

●『モンマルトルからの使者』を田村英理子でアレンジしていたり、ベトナム戦争や沖縄問題を話の中に絡めたり。このドラマの脚本は当時を色濃く映す反体制的な色合いが折り込まれている。

●さらにはベ平連が行った脱走アメリカ兵支援の話しまで・・・

●こんな話の内容とは夢にも思っていなかったので目茶苦茶に驚いた。

●妙にノスタルジー気分を醸すだけのドラマでもなく、セブンのファンに媚びた作品でもなく、セブンというものを通して当時の社会状況や日本人の思考までを描こうとした驚くほど意欲的な内容だ。

ウルトラマンのシリーズのなかでも異色と言えるウルトラセブンは、このドラマと同じく、極めて異色な子供向けとは言えない怪獣番組だった。それを作った人たちに敬意を表さずにはいられない。

●素晴らしい時代、素晴らしい番組、素晴らしいドラマ。いい時代といい製作者、その仲間がこの時、確かに存在していたんだと強く感じさせてくれる。羨ましくもある。今にはないものなのだろうな、こういう情熱とか熱気、それをチャカさず受け止める雰囲気と仲間。

●田村英理子の書いた「ハリウッド・ドリーム」を改めて読んでみた。そして夢を諦めずに頑張っていた田村英理子という存在も改めて知った。

●アンコールで放送されたこのドラマを知り、じっくりと観ることが出来たことは本当に素晴らしい体験となった。今までこんな作品があると知らなかったことが悔やまれる、観ていなかったことが悔やまれる。でも今回観る事が出来たことが本当に幸運だと思える。

●ストーリーとして非常に素晴らしい、社会的な部分も含めてこれは名作と言えるノスタルジーの輝きを持ったドラマだ。


●「消えないで!私の夢の仲間たち」っていう台詞には泣けた。

●いいドラマだ、いい作品だ、ウルトラセブンと同じくらい情熱が注ぎ込まれた作る人の心と血が脈打っているようなドラマだ。こんな作品、滅多に無い。こんな熱い作品を観たのは何年ぶりだろう。

感激!!!!!