『ハリウッド・ブルーバード』(1976)

●低予算映画の王様とも言われた名物プロデューサー、ロジャー・コーマンを題材にした映画ということだが、ロジャー・コーマンが何をしたとか、どういう風に映画を作ったとか、それはちょっとしか描かれておらず、伝記的映画というわけではなく、まあとにかくこの映画自体がチープで、話も出鱈目で、一体何なんだこれは状態。

●今は監督としての名声を固めたジョー・ダンテの劇場公開初作品になるのかもしれないが、まあなんとも酷い作品だ。この映画を通してロジャー・コーマンという人物を知るきっかけになればそれはそれで良いのかもしれないが、まあこんな映画をわざわざ観ると言う人もこの先どれだけいることか? ネズミのフン位しか居ないだろう。

●こんな映画を低予算でつくってドライブイン・シアターなどで公開し金を稼いでいたというのだから驚き。いや、日本も昭和初期から中期の一番映画産業が盛んだった頃は似たようなものか? 安いテレビドラマ並みにどんどん矢継ぎ早に、一週間位で映画が撮られ、全国に沢山あった劇場でどんどん上映して金を稼いでいたのだから。

●こんな中身のない適当な脚本、安い俳優、安い監督で映画が作られていたのだから、ある意味それは幸せだったのかもしれない。

●ライフルやマシンガンをぶっ放すシーンは的も。日本は火薬の規制がうるさくて、銃口からでる火花や煙が本当に安っぽい。

●HOLLY WOOD BOULE VARD をハリウッド大通りと訳さず、ハリウッド・ブルーバードとしたのはなぜか?ハリウッドの青い鳥を探してということに引っかけたのか? 気がきいたアイディアにも思えるが、あまりに引っかけ過ぎ。