『ハゲタカ』(NHKドラマ) (2007)

●評判がいいという話は耳に流れてきていたが、見たことはなかった。その後映画化もされたが「NHKまでもTVと映画の相乗ビジネスやるのか」と冷めた目で見ていたので映画も未見。それもBShiで放送するようなので視聴してみる。

柴田恭兵の演技が良い。真面目一徹、いつも目を伏せて頭を下げているようなサラリーマン、だけど熱は内部に滾らせている感じがなかなかである。このドラマの中では一番いい演技をしていた。大森南朋ももちろん良い演技をしていたが、柴田がの演技が光っていた。

栗山千明はいつもちょっとエキセントリックな感じがひっかかる女優だったのだが、今回の役では髪を上げて、おでこ全開の姿。少々エキセントリックな感じは相変わらず漂わせているが、この髪形の方が美人に見える。今までの栗山よりもこのハゲタカの栗山のイメージの方が数倍良い。

松田龍平とハイパークリエイション起業のエピソードは余りに短絡的過ぎる。随分端折って都合よく話を繋いだものだと少々飽きれたが、松田龍平は顏に雰囲気があるから、これはなんとかなっている。だがこういう都合の良すぎる話を入れたためにドラマのシリアスさがかなり損なわれてしまっている。

●何も知らず余り情報の無いときに見ていたら「こんな世界があるのか、こんな凄いことをやっているのか」ともっと驚いたのかもしれないが、実社会の実際の事件、ニュースでかなり散々に垂れ流された企業買収やファンドの専門用語が使われると、今見ているとなんとも教科書的、参考書的、説明的な話過ぎて、ストーリー展開に少し白けてしまう。

●随分と賞を貰ったり、評価の高いドラマだと聞いていて観たのだが、退屈ではないにしろ面白さはソコソコ。第四話あたりから余りにご都合主義の展開になってきたので興醒めしてしまった。
村上ファンドライブドア堀江、楽天TBS買収など、実際のニュースでかなり凄い状況を知ってしまった後だから、後追い感が拭えない。3年前に観ていたらもっとエキサイトしたのかな?

●音楽がクライマーズ・ハイ(NHKドラマ)に似ている。tomo the tomoがこのドラマのガラガラとした女性のボーカルらしいが、クライマーズ・ハイの音楽とは別人のようだ?