『Sweet Rain 死神の精度』

●今をときめく伊坂幸太郎小説の映画化だが・・・・・いや、これまたどうしょうもない一本になっているものだ。

●美人・・・というか幼い顔なのだが・・・小西真奈美に薄幸の女を演じさせたのは上手く行っている。美人なのにほんとに暗くて、幸に遠い女というイメージが見事に出ている。こういう顔つきの女性が薄幸なことは世の中的にはないだろうが、小西の演技の上手さか、演出の上手さか、メイク、衣装の上手さか、実に不幸そうな女を見事に演じている。そこだけは◎

●しかし、犬にセリフをしゃべらせるところだとか。(実際には字幕だが)、金城武に歯の浮いたようなセリフを喋らせるところだとか、もう正直あんぐりと口を開けてどうしょうもない・・・と捨てぜりふを吐いてしまいそうになった。

●どこをどう勘違いすればこんな演出になるのかねぇと頭の中に???マークが無数に飛び交う。

●名女優富司純子が出てきても画面は引き締まることもなく、最後の最後までどっちらけ。

●「あれは酷いよ」という話ばかりが聞こえてきていたが・・・評判の悪さは本当だった。もうどうしょうもない邦画をまた観てしまったという後悔の念しかのこらない愚作とこけ下ろす気にもなれない、もうどっかに消えてしまっていいよといいたくなるような作品であった。

●最近敢えて今まで観ていないようなマイナーな邦画を観ているが・・・やはり売れなかった映画はそれなりだなと再認識。売れなくてもいいのもあるにはあるんだけれど、それはミニシアター系のようなこじんまりとしたところでインディペンデント的にかけられていた映画に多い。

●メジャー公開されてて売れなかった映画は、ほぼ確実に駄作という方程式がなりたつようだ。邦画バブルなんてのももう過去のものになりつつある。