『アマルフィ 女神の報酬』

●予告編が劇場で流れているときはフジテレビでこの役者の顔ぶれで、オールイタリアロケで、50周年記念作品で・・・それでサラ・ブライトマン、外交官、テロなどと耳から入ってくる情報で判断すると・・・これは地雷の確立が相当に高いだろうなと予想していた。しかし、割と周りの評判もいいようだしどうなのだろうと、ちょっと地雷を警戒しながら観たのだが、これはなかなかちゃんと作られていて、アホじゃないの?と言いたくなるような突込みどころも殆ど無く、ストーリーの破綻もなく、そこそこにきっちりとまとまった映画になっていた。

●007の真似と言ってしまえばそうだけれど、日本でこれだけの映画が作れたということを第一に賞賛したい。

●それにしても流石フジテレビ、金の掛け方は並みの邦画とは段違いだなとただただ羨ましくなるばかり。こんな贅沢な作りの邦画はもうテレビ局絡み出なければ出来ないのだろう。ずっとテレビ局絡みの映画は冷めた目で観る癖が付いてしまっているけれど、ここまでやるのならもう脱帽。というかもう敵いませんねと手を上げるしかない。変な映画もいっぱいあるけど、この『アマルフィ 女神の報酬』に関しては賞賛せざるを得まい。

●ちょっとなぁと思う部分も無くは無いのだが、粗探しをしてもしかたないし、この映画は超感動というものでもないけれど、充分以上にエンターテイメントしていた。邦画でここまでのことが出来たんだということでもう充分以上に満足出来る一作であった。

●ただ、どうも観ていると日本人の役者よりも外国人の役者が上手いなと感じてしまう部分あり。佐藤浩一演じる藤井とその仲間の外国人役者は物凄く上手かった。殆ど名前も知らない人ばかりなんだけど、ラストで彼らの演技で少し涙が滲んでしまった。

平田満外務大臣というのはなんか似合わないんじゃないの?と感じたがああゆう落ちとなるとやっぱり平田満でよかったのかなと思える。

●イタリアでのロケの美しさ、よくこれだけのことをやったなぁ、ここに関わったスタッフは相当に大変だったんじゃないかなぁとただただ驚くばかり。

●観ていて本当に羨ましくなるばかりの映画である。

●羨ましすぎるなぁと思う自分が悲しくなってしまうけれど。

○ラスト近くで犯人グループが捕まえられた後、パーティー会場で少し悲しげに天を見上げる黒田が映し出されると、いきなり画面が真っ暗に。ほんの2,3秒なのだろうがブラックアウト・・・その後いきなり別シーンに飛ぶ。上映ミスなのか? このブラックアウトしたところに何か映像があったのではないかと、かなり不快に思えてしまったのだが、どうも上映ミスとかではなく意図的にこの編集がされているらしい。ちょっとこれは異常だな。