『紀元前1万年』

●この映画の製作費は一体幾ら掛かってるんだろう? NZ山岳部から世界各地にまたがる大規模なロケ、空撮、CGIシーンだらけ、ラストのピラミッドの様な建造物も実物のセットだという・・・・いやはや、ふんだんな予算で、よくもこんなに詰まらない作品を作ったものだと呆れる。

●まるで子供の頃に聞かされた、子供向けの昔話そのままというようなストーリー。よくこんなお話の脚本に製作許可をだしたものだ。メジャースタジオの映画化決定なんてこの程度なのだと白ける。

●エメリッヒはインデペンデンス・デイ以降はロクな作品を撮っていない。しかもどんどん質が悪化している。いやはや。

●確かにCGIには相当の労力が掛けられているし、大規模な撮影もちょっと前ならかなりの超大作並のモノだ。しかし、話がこんなペラペラの内容ではどうにもなるまい。

●中身のないハリボテのごときストーリーには、サスペンス無し、スリル無し、スペクタクル無し、派手なシーンもなければ、大活劇もなし、ラブストーリーはお決まりだから入れてはいるが、まるで小学生の恋愛のごときもの。あれやこれや話を進めるために、預言者のような老婆のナレーションで都合良く話をまとめているから映像が話を引っ張っていかない。ラストの蘇りなんて、もういい加減にしたらという終わらせ方である。

ニュージーランドでのロケ、氷河や雪を被った山並の空撮は、まるでロード・オブ・ザ・リング。きっと慣れているからとROTRと同じ空撮スタッフ、会社、カメラマンを使ったのだろう。絵がROTRとまったく同じに見える。これまたいやはや。

●よくもまあこんな映画を大金かけて作ったものだ。

●エバレット役を演じるカミーラ・ベルはまるでモーニング娘の一人、可愛い中学生のような顔のつくりである。体もちいさくて身長も低い。アメリカ映画でこういったタイプがヒロインになるというのは今まで余り無かったことだ。どちらかといえば日本のアニメオタクなどに受けるような顔つき体つきである。こういうタイプの女優がヒロインに抜擢されるというのは、ひょっとしたらこんなところにも日本の影響、アニメやアイドルなどの日本人の好みがアメリカにも伝播して言っているということではないだろうか? クリスティーナ・リッチやレチェル・リー・クックなども、かってのアメリカ人好みのグラマラスな美人女優というタイプではなく、非常に日本人が好むようなカワイコちゃんタイプの女優だ。 

●日本のアニメやオタク文化、萌えなんてものが徐々に海外に浸透し、その嗜好が西洋人の嗜好にも影響を及ぼし始めているのかも。

●まあ、なんにしろどうにも詰まらない作品であった。