『アイ・アム・レジェンド』

●お気楽映画をもう一本ということで観る。いやぁやはりこの手の映画は本当にお気楽だ。日本語吹き替えならちょっとよそ見をしてもセリフは頭にはいってくるからストーリーは切れない。ながらで観るにはちょどいい。観終わって何かのこるとかそういうものではないが、その場限りの娯楽としてはこんなのでいいだろう。ただし、1800円払って観るか?と言われるとお断りするかも。日本の映画興行の料金が高すぎるというのもあるが、やはり作品のタイプによって値段設定を変えられたり出来ればもっと観客は増えるであろうに。劇場側としては面倒くささ、収益のことなど考えると難しいかもしれないが。特に地方ではそうだろうなぁ。

●タイトルから関連付けて監督や脚本家がストーリーに入れたのであろうが、まさかボブ・マーリーのナンバーが映画の中で流れて、ウィル・スミスがボブ・マーリーの生前のことを話すとは予想外どころか大きな驚きであった。ボブ・マーリーをこよなく愛聴している自分としてはボブの曲が映画の中で流れるというだけでなにか痺れるものを感じた。監督か脚本家もボブのファンだったのだろうか? ウィル・スミスが「ボブ・マーリーを知らないのか?」とアナ(アリシー・ブラガ)に言っているシーンを見ていると「そうだな、今となってはレゲェファンでもない限りボブ・マーリーを知らないという人も多いだろうな」と思ってしまった。

●最高のアルバムだとして語られるボブ・マーリーのベスト盤「レジェンド」。確かに、これはもう何度聞き返したか分からぬほどの愛聴盤。ボブ・マーリーの音楽を知りたければこの一枚が一番最適。ボブの名曲が全部収められている。ボブ・マーリーが映画で取り上げられたり、その曲が映画で使われたりしたことって殆どなかったから、このまったく予想もしていなかった内容に驚くと共に非常に嬉しくもなった。改めてアルバム「レジェンド」を聞きなおそうという気持ちにもなった。

ボブ・マーリーを作品の中で取り上げてくれたというだけで、自分としてこの映画は非常に印象深く、忘れることの出来ない一作となった。映画の内容とはあんまり関係ないのだけれど。

●映画の内容は、これもお気楽で、ストーリーも大体お約束通り。ウイルスに感染して人間性を失った怪人になった人々の映像はCGIが下手くそ。動きが変だ。完全にアニメという感じで、いくら異常な能力を持ってしまったとはいえ、もう少し人間らしい動きをさせないとこれは白けて引いてしまう。

●1時間40分深いことを考えずに頭を柔らかくするにはいい映画であろう。CGIには金が掛かっているが、登場人物も少なく、ハイコストのアクターはウィル・スミスだけだから、思ったほど制作費は掛かっていない映画かも。それでも邦画とは比べ物にならない金額であろうが。

●エンドロールまでもまさかと思ったがボブ・マーリーの「REDEMPTION SONG」が流れるとは・・・・もう驚き驚きである。映画の中身は横においておいてボブの唄をテーマ曲として使ってくれたことが”素晴らしい”。

ボブ・マーリーのことばかりが頭に残ってしまったな。