『少林少女』 

少林拳法、ラクロス、大学のラクロスチーム、なんだか良く分らない権力者、マーシャルアーツ、あれやこれやと人を引きつけそうなパーツをあちこちから寄せ集め、今までヒットした映画からも当ったパーツを拝借し、その全てが見事に融合せず、煮えない野菜がごろごろと鍋の中でころがっていて、食べるどころじゃないでしょう、という映画。

●売れ線を狙いすぎたダメな脚本がダメの根源、それを映像化したのは更にどうしょうもない。まあ、ひょっとしたらプロデューサーからそういう脚本書けって指示がでて、面白い要素テンコ盛りの脚本を無理して作ったのかもしれないが、詰め込んだだけでは作品にはならない。

●当代きっての売れっ子女優柴咲のキャラは合っているが、それだけじゃどうにもならない。

●カワイコチャンも日本からも中国からも沢山集めて、これだけでも大したもんだと思うが・・・・内容無さ過ぎ。キティ・チャンは確かに美形だが、この作品の中で使ったのは中国や香港での公開を狙ってのビジネス算段か? 演技もなにも残念ながら浮きまくりだ。
山崎真実は目立つ顔つきではないのだが、背も高く、ボリュームある体つき、ちょっとオーラがある顔つきで思った以上に目立っている。
岡村隆史の種明かしは、驚きもなんにもない、はあそうですか?って感じ。

仲村トオルの悪役はイメージ的にははまっているが、キャラクターの設定がまるで意味不明だから訳の分らない存在になっている。

・・・・これ以上書いても仕方ないか。

●本広監督はなぜにこうまでクレーン撮影や移動撮影ばかりを使うのだろう? 殆どのシーンでカメラは動いている。動かさないとシーンを撮れないかのようだ。ここまで動かされると、なんだか「もう少し腰を落ち着けて、真っ正面からガシッと構えたカットを撮れよ」と言いたくなってしまう・・・のはジブンだけ??

●今年のGWは映画業界としてはどうなんだろう? 『スシ王子』『相棒』『砂時計』そして『少林少女』と全部テレビ局絡みの映画ばかり。洋画にしても『紀元前一万年』が目玉??? 本当にGWかと思うようなラインナップだ。GWだからって映画を見に行くという感じでもなくなっているかもね、ここのところは。

●まあ、邦画ではこの少林少女が最も観客動員を狙ったミエミエの作品ではあるが・・・・・これじゃあ。

●これは批評するとかいう映画ではない。