『どろろ』 

●ちょっといまいちという噂もあったけど、結構期待して見た。
黄泉がえり」で大ブレイク(知ってる人には)した塩田監督がなんとこんどは製作費30億の大作どろろの監督と聞いてさてはてどんな映像をみせてくれるかという期待も大きかった。今まではCG多用の作品とか大作じゃなくて、割りと小ぶりな作品の監督ばっかだったからね。

●のっけから「ほら見ろ!」とばかりにCGIの映像は連発。そういったところで飽きさせない持ち込み方はしている。

●出てくる妖怪がなんだか皆、仮面ライダーの怪人みたいなんだよねぇ。日本的な妖怪の不気味さとかをもっと感じさせるキャラにしてほしかった。百鬼丸との対決もなんだか仮面ライダー対ショッカーみたいなかんじだった。

●イモムシ見たいな妖怪の卵が集まっているところはまんまエイリアンじゃないのよさ!ああいう絵は出して欲しくなかった。

土屋アンナはド下手でした。まるで学芸会の子供の芝居レベル。役を演じてません! ヤンキー暴走族役なら地で行けるんだろうけど、こういう役だとボロがでてるね。演技力はほぼ無しでしょ。

●全体的にはそこそこ面白くはあったけど、胸がすくようなアクションや特撮があるわけでもなし。ロケ地をニュージーランドに選んだのはまあ正解なのかなとも思っていたけど、このくらいの絵だったら日本で撮影しててもまるで問題ないんじゃないの?

●どうも見せ場と言えるようなSFチックなシーンは前半に集中しちゃってるね。大草原での甲冑武者の戦いはこれまたロードオブザリングみたいで、どうもあちこちに見覚えの有るようなシーンがありすぎて・・・・・。

柴咲コウは目玉がデカイよなぁ・・・・。この映画の中では柴咲はちょっと五月蝿すぎ!妻夫木が腰の据わった演技をしているのに、柴咲がキャラクターとは言えギャースカやりすぎててちょっとうっとうしかった。

●後半はドラマチックな展開にはなったけど、やはりドーンという盛り上がりやスカッとした気持ちいい展開がないから終わっても拍手をする気にはなれないよね。

●日本映画がこれだけの金を使ってスケール感をだそうとニュージーランドで撮影までしたけど、全体的に丸くまとまってしまっていて面白みに欠けるという映画になっているような気がする。

●ラストでいかにも「どろろ2」に続くよ!的な終わらせ方はいかんともしがたい。
2時間以上の映画なんだから、しっかり48匹の妖怪をやっつけて人間に戻るところでおわらせてほしかったもんだ。

●全世界公開決定・・・ということらしいけど、手塚治虫原作だからでしょ。この内容ではちょっと世界レベルとはいえないんじゃない?

●それとテーマソング(らしい)Mr.childrenの曲だけど、エンドのテロップで初めてこの曲が流れてたけど、なんか意味有るのだろうか?
ミスチルをテーマ曲に選んだ理由は単なる話題作りのため? 音楽も、歌詞も映画にまったく合ってないという感じ。(曲としては好きだが)

●映画と曲がクロスオーバーするわけでもなく、作品中に使われているわけでもなく、本編が終わってからテロップで流してるってのがいかにもただミスチルの曲をくっつけましたという感じ。

●「あずみ」のラストの曲も酷かったけど、今回はそれと並ぶくらい意味ないつまらんスケベ根性の選曲でしょ。