『戦国自衛隊1549』 

●79年に大ヒットした『戦国自衛隊』はそこそこに良かった。千葉真一扮する自衛隊のリーダーは芯の通った行き方を過去の時代でも徹底しそれに続く隊員の一人ひとりもそれぞれが自分と自分が置かれた状況との葛藤の中で悩み苦しみそしてあるものは死をあるものは生をと分かれていく。そして長尾景虎役の夏八木勲も良かった。

●出会ってしまった現代の人間と心を通わせながら最後には己の時代の生き方に従わざるを得ず敵対し心通じる相手を倒さねばならぬという葛藤。最後に流れるテーマ曲もなかなか良かったね。「SUN GOES DOWN, SUN GOES DOWN もう日が暮れるからぁ。家へお帰りよ・・・」という寂しいフレーズのテーマ曲が流れ、自衛隊の残る家に火を放つ。寂しくも涙が出た。

●古い方の作品の話しばかりになるが。新しい方は設定が自衛隊のタイムスリップということだけで話しは大幅に変更。鹿賀丈史織田信長になるとか豊臣秀吉の若かりし頃の姿が自衛隊を助ける救世主になるだとか、組み立てた脚本の仕組みは色々頑張ってるなぁという感じなのだが・・・・・余りに突っ込みどころが多すぎて・・・・・ほう、こういう展開にするのかぁと感心したところですぐにええ!って阿呆らしい話しをだしたり。まあ頑張って歴史上の有名人物を脚本に組み込みストーリーに奥深さとかをだそうとしたのだろうけど、大失敗に終わったということだろう。

●つっこみどころといえば戦国時代のお城に製油所が建造されているところなど・・・ありえないでしょう。というもうどうしょうもない部分。
ということで角川映画が過去の大ヒット作の威光を借りてまたヒットを生みだそうとした映画なのだろうけど、脚本の酷さで大失敗したという感じだ。

●それでも79年の戦国自衛隊を見て思い出を持っている人はそこそこ足を運んだから興行はボロボロとまでは行かなかったかな。

●ちなみにこの映画もTV局とのコラボ。映画が上映されてしばらくしてから映画の撮影と同時に行っていたテレビ版が放映されたけど、たしかにこれなら映画のロケ費、機材やら俳優のギャラやらを映画の中で処理しちゃってテレビとしての追加負担は極力少なく番組を一本撮れるわけだ。でもテレビ版の放映は知ってたけど見なかったね。なんだか見え透いてるという感じで。

●最近邦画がバブルだが、こういう作品を作っていたらまた客が離れるのではないかと心配になるいかにも古い体質継承してる映画だ。

●それにしても鈴木京香はやたらあちこちの邦画に出ているなぁ。なんで邦画ではひっぱりだこなんだろう?ちょっと食傷気味だけど。

yahoo映画『戦国自衛隊1549』:http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id321093/
ぴあ映画生活戦国自衛隊』:http://pia-eigaseikatsu.jp/title/12872/