北野映画のなかでは好める作品。しかし数年前に観た時とは改めてみて随分印象が変わった。
つながり乞食。人形浄瑠璃。お祭りのときの風車やお面を背景にしている映像は美しいが、これはよくある絵だ。たけしが徹底批判した稲村ジェーンでも使われていた。
映像の美しさ、ライティングの故意的ではあるが情緒的でパッと観ただけでハッとする美しさは間違いない。
しかし、ここにヤクザ映画を入れる必要はあるか?
待ち続けていた女性の話も美しいのに。
あえてヤクザ映画の要素を入れる必要があるか? それが北野武の根なのだろう。しかし映画としては余計でしかない。それがなければもっと評価は高まっていただろう。