『 優駿 ORACION 』(1988)
・監督が『北の国から』の演出をしてたせいもあるし、役者も『北の国から』と重なってるし、北海道を舞台にしてるっていうのもあるから、なんだか『北の国から』を観ているようだ。吉岡秀隆と田中邦衛と北海道となったらそう思わずにはいられまい。最近はそうでもないが、小さい頃の吉岡秀隆がこのうじうじ頼りない顔で出てくるとどうしても全部『北の国から』になってしまう。まあそれだけ強い印象があるということは悪いというわけではないのだが。
・斉藤由貴は当時大人気だったのだから、これは客寄せパンダとして使われたのだろう。しかしそんなに演技が上手くはないけれど独特の味というか癖がある不思議チャンだからなんだかこの娘が出てると目が惹き付けられてしまうな。
・この映画が大ヒットしたのは競馬ブームに上手にのっかったというのもあるのだろう。
・絵は奇麗。北海道の自然、大地、草原・・・そういうものは奇麗に撮られている。ただし、なぜか心打つほどまでにはいかない。いろんな写真や絵や映像で今まで沢山観てきたような絵柄、ショット、構図棚と言う感じ。ようするにお決まりの絵がいっぱい並んでいる。だから今一つなのだ。
・この人も病気、こっちもガン、こっちも死にます、あっちも死にますと、人の死でお涙さそいましょうという低廉な魂胆がありあり、見えすぎ。