『ゴースト もう一度抱きしめたい』(2010)

・どれほどどこまでくだんないのかと思って観たけれど、突拍子もない捻くり方をした話の展開が思ったより面白いじゃない。まあ殆どギャグのようなものだが「へぇ、こういう風に持ってきたか」とちょっと感心。

・この手の幽霊が自分を見ることが出来ない相手に自分の存在を伝える手としては常套ではあるが、二人だけの思い出を霊媒師に語らせたり、ドアにネコの絵を描くシーンとかはちょっとウルウルしてしまった。

樹木希林は相変わらずの怪演。

・40歳を前にした松嶋菜々子は美人というよりもちょっと可愛いらしさの残る若作りのミセス。だけど、いわゆる、オバさんっぽさや生活臭さは全然なくて、ツンとした社長すがたなんかは幼なさののこる衣装や短いスカートもあってなんともHというかいやらしいエロさあり。笑

・いかにも韓国のテレビドラマといったノリで始まったので、例のロクロの場面も「これはパロディーか?」と吹き出してしまいそうになったが、その後は段々に日本の月9テレビのノリになっていって、最後は恋愛ものというよりお笑い。というか失笑。

・リメイク権にいくら払ったのかは分からないが、まあよくこんなのを作ったものだ。韓国俳優を使ったのも韓国での配給収入やらその他の収入も皮算用してのことだろうが、過去のヒット作の名声だとか韓流だとか人気女優だとか、あれやこれやと人を引き寄せるであろう集客効果、宣伝効果のありそうな枝葉末節を集めて、これだけ目立つ、メディアや一般客が食いつきやすいもので飾り立てておけば、木の幹は適当に作っておいてもなんとかお金は稼げるだろうというような考えで作られたような映画。

・まあだけど、お気楽に思ったよりも面白かったし、あっちこっちの場面で笑えたし、ゴーストの日韓合同パロディー・リメイクと考えればけっこう楽しめるんじゃないの。最終絶叫計画みたいなものとして。