『スティング』

●観るのはこれも超久しぶり。前に観てから10年以上経つ。名作中の名作だという思いは今回より強くなった。映画らしい映画だし、本物のエンターテイメントだなと強く思った。

●映画のもつ雰囲気がとてもいい。今の映画にはない格だとか、自信だとか、気高いものがあるような気がするな、この作品には。

●何度も書いているが最近の「繰り返し観ましょう」なんて姑息な興収アップのPRはおぞましいし、映像のなかに一回観ただけではわからないような伏線を張って、あちこち間違い探しや宝探しをさせるような映画は映画にあらずと思っている。そういう昨今のダメダメ映画とはちがい、このスティングはしっかりとした伏線と驚くようなその回収。最後の最後には観客まで騙されていたことに気が付き拍手をしたくなるような終わり方など、文句なしだ。

●この映画には映画を通して観客に楽しんでもらおうという思いがある、金儲けの為に何度も観させるような下衆な下心なんてない。純粋に映画として人を楽しませようという今は殆ど吐息がかすれるほどになった映画人の気高さや誇りや格の高さがこの映画には漂っている。

●一回観て、仕込まれた伏線も仕掛けもちゃんと分かって、見終わってすっきりと清々しく晴れ渡るような気持ちになる映画。

●やはり名作だ、今の映画は映画人はもっとこういう映画を見習うべきだ・・・状況から難しいとはわかっているけれど。

●本当に久しぶりに観て、物凄く嬉しくなった、楽しかった、感嘆した。流石の名作だ。