『東京残酷警察』(2008)

井口昇監督の『片腕マシンガール』はエログロやりすぎで唖然としたが、まさに大人計画的笑いもあるし、酷い映画だとは思いつつも「この監督、作品はある意味凄いな」と思っていた。しかしTOKYO SHOCK第二弾として作られた「東京残酷警察」は井口昇作品を遥かに凌ぐ最低最悪の品性も人格も理性もないような映画。よくまあこんな作品撮るなぁという気持ち、もうここまでくると異常としか思えない。

● この映画はエログロ、変態淫獣アニメを実写で撮ったものと言えるだろう。秋葉原でその手のアニメをごそっと買っていく手合いには一番好まれる映画かもしれない、が・・・やはりもう異常だ、これは。

● ここまで異常さが酷くなるともう二度と観ることはないだろう。

● 以下は一応の備忘録
・ チェンソー、電気ノコギリ、電気ドリル、カッター、ハサミなんてものがこの手のスプラッター映画では定番的に使われ、それを腕にくっつける描写が多い。明らかに表現がワンパターン化している。マシンガンや拳銃といった飛び道具以外で、たいした規制もなく普通に誰でも購入することができ、使い方によっては殺傷能力が極めて高く、残忍な武器にだからなのだろう。こういった映画では必ずチェンソーを持ったシーンが出てくるわけで、これをワンパターンだと言っても仕方ないか? それ以上に残忍な武器の発想ってないのだろう。
・ 警察のCMを作中で何度も出てくるが、これはスターシップ・トゥルーパーズの真似か?
・ 絵的にどこかで見たことあるなと思ったが永井豪デビルマンやバイオレンス・ジャックに似ている。この辺りも真似たか? 四つ足を切断されて犬のようになった人間はまさにバイオレンス・ジャック。そういえば永井豪もかなりエログロな漫画だ。
・ ホントに最初から最後まで血だらけ、俗悪劣悪、最低屑映画。
・ 描写の酷さに加えてストーリーが酷い。マッタク面白くない。ジョークが全然なくて、シリアスに話を進めているから詰まらなさは極大。映像自体がジョークだって言うかもしれないが笑えないんじゃジョークになってないし。

● それにしても酷い映画だ。これだったらまだ井口作品のほうがマトモ。井口作品は同じエログロでもまだ話が出来ているし、人間が作る映画として崖っぷちには踏みとどまっているのだが「東京残酷警察」は異常、精神に異常をきたした人が作った異常者映画。

● 井口監督の「ロボゲイシャ」はまだ観てみたいという気持ちがあるが、この監督の作品はもう二度とみることはあるまい。