『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』(2005)

●流石に、今までファイナルファンタジーというゲームとそのストーリーなどを全く知らないで観ると話は何がなんなのか全然と言っていいほどわからない。まあそれは仕方ないことだろうが。

●それでも映像は確かに美しいし、アニメ独特とも言えるハイテンポなシーン切り替え、展開もあり、退屈さはまるで感じずに面白くラストまで観ることが出来た。

●映像の凄さはあるが、やはりこれはゲームファン、ファイナルファンタジーのファン向けの作品にとどまるか?

●登場人物の男性キャラが全部どこかのビジュアル系バンドのメンバーというイメージ。こういうCGアニメのキャラはやはりだれか見本となる人をもとに顔作りをしないとやりにくいのか? まったくのオリジナルな顔つきというのはないな。かならず誰か思い当たるような顔つきをしている。

●人間の動きや動物の動きにまだカクカクしたところは残っている。全体的にレベルの高いCG映像だから、そいったカクカクが出てくるとやたらと目に付く。

●肌の感覚だとか、微妙な表情の変化、顔つきなどはかなりリアルなのだが、唇の動きなどにカクカクが残る。

●ハッとするくらいリアルな映像(たとえば広場で非常に多くの人が動き回っているようす)があるかと思えば、まだまだやっぱりゲームのCG映像だなと思うところ(女性キャラが戦うシーンでバタン、ドタンと倒され地面で弾けるような映像はゲームの鉄拳を見ているかのようだ)もあり、それが入り交じっているのでちょっと頭の中のイメージが振り回される。

●なんとなーく、地球が崩壊しそうになったのが救われて、そして登場人物が「母さん」とか呼ぶものを手に入れれば自分の体が補完される・・・というストーリーは見えるのだが、正直この作品だけをみていたのでは何が何だかは殆どわからない。

●登場人物にしても、バトルシーンにしても、チェイスシーンにしても、映像を見ていると「あ、ここはあの映画のあそこのシーンを使ってるな」と思うところが沢山ある。マトリックスあり、ダークエンジェルあり、デカイ怪物は平成ガメラを元にしてるんじゃないのこれ? と思った。 この怪物を地上から見上げるようなショットは京都駅のガメラそっくりだったし。

●CGだから出来る現実ではありえないカメラワーク、それが余りに過度になると感動だとか凄いだとかゆうよりもちょっとやり過ぎでリアル感を失ってしまう部分がある。これは他の映画でもよくあることである。

●ゲーム関係にはまったく疎いが、秋葉原ヨドバシカメラに言ったときに大きなTVモニターでこの映像が流されていて、それを見て始めてこの作品の存在を知った。劇場版のファイナルファンタジーに比べても圧倒的なCG精度の向上が見られたし、なによりそのとき大画面で始めてみたものだからこれは凄いなと思った。あれから数年、ようやくにして観賞。これくらいのCG技術があれば映像の世界で邦画ももっと凄い物ができそうな気もするのだが・・・金と手間がかかりすぎるかな?

●メインで登場する女性キャラの顔つきって小倉優子と誰かを混ぜ合わせて作ったってかんじか? 小倉優子っぽいけど微妙にどこか他の女優も想起させる。これってちょっとムズ痒い。