『天と地の間に』(1961)

●ヨーロッパ・アルプスを舞台としたガストン・レビュファが監督まで務めた山岳映画3部作『星にのばされたザイル』『天と地の間に』『星と嵐』の内の一本。タイトルの格好良さ、ジャケットに使われている写真の美しさ、印象深さにいつかは観てみたいと思っていた作品。

●三作の内では『星にのばされたザイル』がタイトルとしては最も格好良い。センスもあるし、ロマンもあるタイトル。このタイトルは秀逸。

●今となってはヨーロッパ・アルプスを登ったなんて話はまるでニュースにもならないし、ヨーロッパ・アルプスの登挙なんて話題にも出てこないのだけれど、それこそ1950年代前後は世界中の山男、クライマーがこぞってアルプスの壁を征することを目指していた時期というのもあったんだなぁと時代の移り変わりを感じる。もちろん今でも登っている人はいるのだろうけれど。

●あの美しい山々は今は観光地として観ることが主となっているのかな? ガイド付きの一般ルートからの登山というのは今でも続いているのだろうけれど。

●美しい絵を期待してこの映画を見始めたが、いかんせん50年近くの映像。今の鮮明な映像になれた目にはさほど美しいとは感じられなかった。シーンとして急峻な岩場、雪のナイフリッジ、細いろうそくのように空に突き上げた岩峰など凄い絵はあれこれあるのだけれど・・・・。

●あくまでこれは山の紹介映画であり、ドキュメンタリーでもなく、登山ガイド映像に近い。

●ジャケットの美しさに魅かれて三部作全てを観ようかと思っていたのだが、すこし期待はずれ。あと2作はなにかの折りに観ればいいか。

●懐かしきヨーロッパアルプスの登挙。この映画はで記録映画として歴史の中で生き続けてはいくであろう。