『JUNO/ジュノ』

●巷の映画評などではどこもかしこもかなりの高い評価。しかも今年初めの第80回アカデミー賞で最優秀脚本賞を受賞。見逃していた一本ということで、果たしてどんなものかと楽しみに観たのだが・・・・なんだこれ? まったく詰まらないじゃないという印象。なんでこれが脚本賞を取るのだろう? 全然理解不能。もっと素晴らしい脚本の映画が去年は沢山あっただろうに・・・・。

●本国アメリカではわずか7館だけでの公開から、口コミで評判が広がり遂には2500館にも迫るほどの劇場で公開されるまでになったということだが・・・なんで?

●この映画のどこかに今のアメリカの人々の心の琴線に触れる部分が確実にあるのだろう。そうでなければアメリカでこれ程の公開規模まで広がるはずはない、だがそれがどこなのか、自分には全く分らない。

●若くして妊娠、育てられないから里親を探し、その人に生んだ子供を預ける・・・・ひょっとしてアメリカのティーンエージャーは自分達がセックスして、妊娠しちゃったら子供をどうするかってことに相当悩んでいるんじゃないだろうか? そのいい教本になるからこの映画がヒットしたんじゃないだろうか? 観客層ってそういう責任の無いセックス→妊娠ということをまんま地でやってる若い男と女、いやもう少し上の世代も含めてそういう人間達だったんじゃないだろうか?なんかそういうふうにひねて考えてしまうが。

●この内容、このストーリーでなんで脚本賞なのかというのも理解できない。もっと凄いうなるような脚本の作品が去年はずいぶんあったと思うけどねぇ。

●まあ、アカデミー賞が純然たる作品評価で成り立っているものではないということは承知のことだから、この作品が脚本賞をとったのも映画会社や絡んだ製作側の政治的動きがあったのだろう。

●映画は十人十色というのが持論だ。自分がどれだけ良いとおもった映画でも、ダメな人には全くダメ。逆もしかり。だが、そこそこにヒットした作品には作品トータルクオリティーとしてはダメでも、何らかの共感する部分というものが少しはあるものだ。しかしこの作品はそういう気持ちになる部分が全く無い。ある意味これは自分にとって非常に不思議で珍しい一作である。