『デトロイト・メタル・シティ』

●マンガを原作として実写映画化するというのは、なんだか外しているものが多い。「逆境ナイン」「魁 男塾」「どろろ」その他色々あるが、特にマンガの絵柄、駒割りをそのまま実写の映像にしたようなものはちょっと観ているとげんなりしてくる。これじゃ別に実写に置き換える意味もないだろうと。

●奇抜さが目立ってか、やたらと評判の「デトロイト・メタル・シティ」だが、まあやっぱりマンガをそのまま実写に置き換えたようなパターン。スクリーンを見ていると、マンガのページが、シーンがモロに目に浮かんできてしまう。となると、マンガなのか実写なのか、はたしてどっちなのか?どうでもいいやという気持ちになってしまう。

●だが、この映画の場合は、少しオリジナルのテイストを加えたことで上手くいっている。それはマンガ以上にギャグ度が強く、個性的で、変な役に、松山ケンイチを配したこと。これでマンガを越えることが出来たのだ。

松山ケンイチの嵌まり役度は200%以上と言ったところか? よくもまあ、ここまでぴったりの役者を選んだものだと感心してしまう。

加藤ローサも、これまではなんだかパッとしない役回りが多かったが、彼女も成長してちょっと女っぽさも出てきたからだろう。今回の役はなかなかイイ感じだった。

●田舎のお母さんのこと、大学時代の後輩、好きな彼女のこと、好きな彼女のデート場所を追いかけてってストーキングしちゃうこと。なんか男なら誰でもやってしまいそうなことが、ちょっと照れ臭く、背中が痒くなる感じだ。

●まんまギャグの映画だけど、たまにはこう言うのもいいだろう。気を抜いて、余り考えず、単純に面白さだけを受入れられる作品だ。

●お気軽デートムービーとしても、終わった後なんら後腐れが残らないからいいかもね。

●それにしても、松山ケンイチヨハネ・クラウザーII世は傑作だなぁ。

松雪泰子のアバズレ女度も気合いが入ってる。「そんなんじゃアタシは濡れないんだよぉ」と叫ぶ顔。これって松雪の地を出してるんじゃないの?

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