『ヴァイブレータ』

●なんだろう、絵のテイスト、雰囲気、話しのもって行き方・・・・どうも安っぽかった時代のロマンポルノの雰囲気を感じる。

●主役である大森南朋が冗舌とも言えるほどトラック運転手、長距離トラックの世界を口で喋って説明している。このトラックの世界のことをよほど詳しく調べたのだろうなと思われる。監督と脚本家は誰か知り合いのトラックにでも実際に乗って、喋っていることを録音して、そしてこのストーリーをかいたのだろうなぁ。余りにも詳細にトラック運転手の、言って見れば”生態”を映画のなかで説明している。それは驚き。

●この映画は女性の心のヒダを見事に描写しているだとか言われているが・・・んー、確かに寺島しのぶ演じる何かに疲れ切ったような女性の雰囲気はの実に見ていて伝わってはくるが・・・・・。

●感動がないなぁ。なにかガツーンと来るものがないなぁ。こういう男と女のやり取りを、心の探り合いを表現するというのはまあ面白いのだが、話しはあまり面白くない。トラック運転手といきずりの女性の短いロードムービー

キネマ旬報ベストテンで2003年の第三位。ちなみにこの年の第一位は「美しい夏キリシマ」・・・・・この年はかなり偏向した選出してるな。

●あちこちで”イイ”という話しが言われているが、自分は何故かたいしたものを感じなかった。何故かね? わからないが、見ていてしんどかった。こういう映画を社会とか女の深層を描いてるって評価する向きは・・・・病んでいるんじゃないかな。

●この映画に対する非常に高い評価が自分では良く分らないという一作、悪い映画というのではないが・・・・・。