『ゲゲゲの鬼太郎』

●こんどは「ゲゲゲの鬼太郎」の実写かぁ。日本映画界も過去のアニメや漫画の実写化ばかり繰り返して、まともなものを全然作って居ないんだから、今度もダメだろうなぁ。まあそんなふうに思っていた。宣伝のメインビジュアルもなんか奇妙だったし、田中麗奈の格好なんかオイオイと思ってた。だけど、まるで期待しないでみたら、おやまぁ、これ面白いじゃないの!

●子供向けの映画、親子で行く映画という作り方をしているだろうから、ちょっとお化けとかがまあコケティツシュでお愛嬌という感じだが、それはそれで良し。リストラされて、仕事がなくて、妖怪石に心を奪われて死んでしまうお父さんというのは、ちょっとシビアすぎるな。子供と一緒に見に行ったお父さんが身につまされるような思いをしたら映画を楽しめなくなってしまうんじゃない? 最後には救われるとはいえ。

●この映画もキャスティングがいいね、ウエンツ瑛士の鬼太郎は思ったより違和感がなく、漫画のちょっとまん丸い鬼太郎とは違うが、異質な存在という感じを上手く出している。砂かけ婆の室井もベストマッチ、大泉洋ねずみ男はよくぞこのキャスティングをしてくれましたと拍手。小雪にしても西田敏行にしても役に嵌まっている。そしてこれはダメと思われた田中麗奈がまあ30歳手前のイイ歳でよくこんな格好するなぁ、田中麗奈もそこまで落ちたかなんて思ってしまっていたが・・・あら、なかなかピッタシ!小雪の天狐。YOUのろくろ首、その他も含めて、この映画かなりの豪華キャストに驚き!

●鬼太郎が足をブンと振って下駄を飛ばすのがアニメだったが、今回の実写ではそれがない。まるでロケット見たいに煙を上げてビューンと飛んでいくのはちょっとがっかりだな。ウエンツがサッカーのボールを蹴るがごとく、下駄をブンと飛ばして悪玉妖怪をやっつけるほうが爽快だっただろうに。まったく。

●ストーリーはちょっと子供っぽいところもあるが、これはこれでイイでしょう。妖怪がクラブのような場所で踊りを踊っているのも楽しく微笑ましい。ラストの全員揃った妖怪踊りもこれは最高でしょう! よくもここまでおふざけで楽しくしてくれたねぇと二度目の拍手。

●テーマ曲の「ゲッゲッゲゲゲのゲー」が現代風にアレンジされてシンセサイザーやベースで味付けされイイ感じだ、予告編で流れていたベースが効いた「ゲッゲッゲゲゲのゲー」はゾクゾクッと来るくらい決まっていた。

●こんなイイ感じに仕上がったのだし、親子揃って楽しめる映画が一つ生まれたんだから、これこそシリーズ化してずっと何本も作っていけばいいと思う。アニメは大人が見るにはちょっと厳しいけど、ゲゲゲの鬼太郎なら親子でホントに楽しめる。ましてや今後のキャラクタービジネスなどにも発展させていく可能性はありそうだ。

PS:と思っていたら2008年に続編が公開されるようだ。『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』ちょっとダークな感じに走ってるようではあるが、夏の公開ということで楽しみである。