『eiko』 

麻生久美子主演、沢田研二出演・・・・それだけの映画か?

●まあずっと助監督などでがんばっていた加門幾生の監督第1作目ということで頑張ってはいると言えるけれど・・・・。

●製作委員会のテロップを見たら、アダルトビデオの製作会社2社がこの映画の製作委員会の大御所二つになっていた。

●なるほどね、アダルトで大儲けしても社会的に評価も名声も受けることが出来ないから、沢山お金を貯めた後に今度は名声や評価が欲しくなる・・・世の常です。パチンコ会社や他のアダルト会社などもお金を儲けると映画を作ろうと言いだす。映画は確かに文化的評価の高い事業になるから・・・でもそういった輩はすべからく皆失敗しています。他業種から出てきて映画で美味しい思いをしよう、自分の会社の名声をあげようなんてやったところで成功したところは無いのだよね・・・・あ、角川書店は唯一の成功者かも?でも金の力で興行成績作ってるような所もあるしね。

●ということで、まあ偏見と取られるのも嫌だからアダルト会社が作ってるというところは目を瞑ろう。

麻生久美子は確かに可愛いね、その他の役者も結構良いところがずらりと出演している。出演料結構掛かっているだろうなこの映画。それもアダルトで儲けて余ってる金だからいいのかな・・・(おっとまたアダルトに戻ってしまった)

●話しの筋は非常にプレーン!カメラワーク、構図、そしてストーリー展開と言って見れば教科書的な模範的な作りをしていると言える。
だからこそ、この映画を作ったことが一体ナンなのだろうと思ってしまう。

加門幾生という監督が自分の劇場公開第1作としてものすごいプレッシャーもあっただろう。でもそこをはねのけてなにか今までに無いような個性とか突飛性でもいいから目立ったものをフィルムに焼き付け、演出に出してくれたならなかなか良いね!と言えるんだけど。
全てにおいて安全圏というか、大丈夫な範囲内で絵を撮っているという気がする。

●プロデューサーや出資者のご機嫌に合わせて映画を撮るというのならばそれは雇われ監督としての立場だと分かるが、この映画の場合はどうだったんだろう。出演者を揃えればそれなりに劇場の入りは見込める・・・・監督は名の通ってないのを使って監督料はギリギリまで安くする。オオコケをしないように堅実路線で今までどこかの映画で見たようなシーンを張りあわせたように演出し編集し映画を安ぱいなものとして作る。
なんだかそんな感じがしてならない。

●この映画が劇場公開されたことすら知らない人が大部分だろう。なんら話題にもならなかったと言ってもいい。まあ、邦画バブルとは言え、そう言った映画はごみ箱が足りなくなるくらいある。せっかく作っても劇場公開すらできず、そのまま埋もれてしまう映画もある。そう言った意味ではバックにある程度お金を持っている会社が居たからなんとかマイナー系での公開はできたけど・・・・・それではダメなのだ。

●劇場公開されなくたって、有名な役者が出ていなくたって、見る人は見ているんだから、こんな箱に奇麗に収まった出来合いの幕の内弁当見たいな映画を作るのではなく、なんでもいいからインパクトのある映画を作るべきなんだろう。

●もちろん、この監督がどういう状況だったかなんて分からないで自分勝手に書いているけど。
もし次回作があるのなら、この監督にはこんな映画ではなく、もっともっと思いきったことをやってほしい、そう思う。