『64(ロクヨン)前・後編』

久松真一 アカデミー賞優秀脚本賞

犯人の娘の心を砕いた。。。が痛々しい。

高い完成度で唸らせたNHKドラマの『64』からどうやって逃げるか。いや、それを越えようと務めた、だが超える術が見いだせなかった、だから逃げた、完成度の高いドラマ版をそのまま模倣は出来ない、映画としてのオリジナリティーも出したい、だからドラマ版にはないものを注ぎ込みたかった。だが、それが出来ず、迂回して逃げるしかなかった。

これはNHKドラマ「クライマーズ・ハイ」と映画「クライマーズ・ハイ」の関係に全く同じだ。

そして奇しくもこの2つの原作者は同じ横山秀夫であり、脚本は大森寿美男、演出の井上剛も同じ

改めてNHKのドラマ『64』を観なおすと、これだけの重厚感、密度、練り上げに練り上げ、鍛錬に鍛錬を重ね、徹底的に組み上げられた脚本の完成度に驚く。このドラマ版『64』を超えることは並大抵のことではないだろうと痛感スル。