『タイマグラばあちゃん』(2004)

・もうほとんど昔のNHK新日本紀行とかNHKドキュメンタリーのような作品。『恋するトマト』にしてもそうだが、NHKがBS映画の枠でこういった普通では目にすることのない作品を取り上げて放送することには非常に高い価値がある。

・何年も前に製作された地方の作品、非常に地域性の高い作品、認知度が低い作品、取り扱う題材が限定的、局所的で、監督や制作者の個人的な思い入れによって立っているような作品は観る側も限定する。いかにそれが良い作品であったとしてもだ。一般的な劇場公開も厳しい、限定的に公民館や公会堂などの地方の施設で公開される位だ。そしてそういった自ずから認知度が低い作品は時間とともに情報の中に埋没していく。知る人も少なく、それがあったことすらも知られず、一部の人以外には誰にも知られないものとなっていく。これは書籍にしても同じことではあるが、沢山の人の努力があって出来上がった映画が誰にも知られることなく埋もれていくというのは悲しいこと、それた作った側の人たちにとっては最も寂しいこと。しかし、NHKが視聴率だとか時間枠だとかスポンサーだとか、そういったしがらみに一切捕らわれず、過去に製作された良作を衛星放送というメディアを通して家庭に届けてくれることは本当にありがたく、貴重で素晴らしいことだ。

NHKにおべっかを使うつもりなど全く無いが、NHKだから出来ること、NHKだからやれることを認識している番組スタッフがこういった作品を取り上げてBSで放送してくれることは、日本映画のためにも、がんばって映画を作った人たちのためにも本当に良いこと、素晴らしいことだ。

・自分たちが作った映画が撮影からもう何年もたってTVで放映され、多くの人の目に触れるということは監督を始め映画に関わった人にとって何よりも嬉しいことだろう。

http://www2.odn.ne.jp/ise-film/works/Taimagura/taimagura.htm